皆さん、こんにちは。

一級建築士、相続・不動産コンサルタントの城和です。

 

土地は大切な資産ではありますが、ただ所有をしているだけでは何も生み出すことはありません。

昨今不動産投資が活発となっており土地の値段も高騰していましたが、この度の新型コロナウイルスの影響により少しずつ不動産価格に影響を及ぼしてきております。

すでにアパートやマンションなどを建てて賃貸経営をしている方もいるかと思いますが、相続によってそのまま放置をしている方もいるかと思います。

今回ご紹介のコラムをご覧いただき、土地活用のご参考となれば幸いです。

 

 

土地活用とは

 

土地活用と聞いてみなさんは何が思い浮かぶでしょうか?

土地活用と言えばアパートなどの賃貸不動産を建てる、というイメージを持っている方が多くいらっしゃるかと思います。

 

冒頭でお話をしたように、土地は所有をしているだけではそこから利益を生み出すことはなく、しっかりと対策をしていないと税金や維持、管理費がかかってきて土地を所有していることが負担になってしまうことがあります。

今後土地の値段が上昇して高く売却が出来るという状況であれば良いかもしれませんが、よほどのことがない限り間違いなく土地の値段が上昇するということは誰にもわかりません。

 

土地は資産ではありますが、遊休地や相続してそのまま空き家になっていては土地の有効活用ができていません。

土地の利用(運用)をすることができれば資産の最大化ができ、資産形成や土地の維持をすることができます。

 

ただし、土地活用をするためには活用方法やメリットやデメリットについてしっかりと把握をする必要があります。

やみくもに土地活用をすることによって、地域のニーズに合わず失敗することもありますので慎重に判断をして、最適な土地活用を見つけることが重要です。

 

 

土地活用の種類

 

土地活用にはアパートを建てるといった以外にも様々な種類があります。

ただし、建築物を建てるにあたり都市計画法で用途地域というものが定められています。

 

用途地域とは土地を利用目的によって区分をしており、建てられる建物等の種類や大きさなどを決めたものになります。

大きくは、住居地域、商業地域、工業地域の3つに分かれています。

 

土地活用をする際には、どの用途地域に属しているかによって建築できる建物の種類も変わってきます。

さらには周辺環境によっても土地活用方法が変わってきますので、まずはどのような土地活用の種類があるのかご確認頂ければと思います。

 

・賃貸住宅(アパート、マンション)

まずは土地活用の定番となっている賃貸住宅(アパート、マンション)です。

こちらは概ねどの用途地域でも建築をすることができます。

土地活用を検討する場合、比較的検討のしやすい活用方法になります。

 

また賃貸住宅には自宅と賃貸部分とを併用して建築をする、賃貸併用住宅といったものがあります。

こちらは賃貸住宅に自宅部分が一緒になっている建物になります。

例えば2階建ての自宅の横にアパートがくっついているタイプもありますし、マンションの最上階を自宅部分にしているといったタイプもあります。

 

・高齢者施設

高齢者施設は老人ホームやグループホーム、ケアハウスや最近ではサービス付き高齢者向け住宅といった入居者の安否確認や生活支援サービスを行う住宅も需要があります。

高齢者施設も面積等の制限はありますが、概ねどの用途地域でも建築ができます。

 

・商業施設(商業ビルなど)

建てられる地域は駅周辺などが主になりますが、飲食店や物品販売など様々な業種のニーズがあるエリアであれば賃貸住宅に比べ賃料が高く設定できます。ただし、退去をしてしまうとその分の収入が亡くなってしまうため収入減のリスクもあります。

 

一方、ロードサイドなど土地であれば、コンビニやドラッグストアなどの店舗を建てて活用をすることができます。土地のみを貸す場合や、建物を所有者負担で建築をして土地建物を貸すといった方法があります。

 

・医療施設

こちらは土地活用という面以外にも、社会貢献といった貢献度の高い活用方法になるかと思います。

地域としては一部建築できないエリアもありますが、安定した賃料収入を得られる可能性がある活用方法です。

 

・駐車場

初期投資の金額も抑えられ、手軽にはじめられる活用方法になります。

周辺環境状況ではありますが、月極駐車場であれば手間もほとんどなく安定した収入を得ることができます。

それからコインパーキングなどの時間貸しも検討ができます。比較的都心に近く駅前などでなければ難しいかと思いますが、小規模の土地でも活用が可能です。また最近ではカーシェアの利用も増えているため駐車場とあわせて検討が出来るでしょう。

 

・トランクルーム

トランクルームは駅から離れていても収益が見込める可能性があります。日常的に使わないものや季節物を保管しておくといった需要もあり、手間もかかりにくい活用方法です。

活用方法は土地を事業者へ賃貸する場合とトランクルーム自体(コンテナ等)を建築して利用者へ賃貸するといった方法があります。

 

他にも太陽光発電設備の設置や農地であれば貸し農園として活用するなど様々な方法がございます。

立地によっては多くの土地活用方法が検討できるため、しっかりと検証を行い最適な活用方法を見つけ出すことが重要になります。

 

 

土地活用をする前に

 

みなさんはなぜ土地活用をしようとするのでしょうか?

多くの方が建物を建てると節税になるということで土地活用を検討される方が多いかと思います。

しかし、安易に意思決定をしてはいけません。

 

相続対策で土地活用をするには節税面での検討や先ほどお話した収益性も大切ですが、分割方法の検証も大切です。

相続対策では3つの柱があり、「分割」「納税」「節税」の対策をすることが重要とされています。

その中で「分割」は特に重要視されており、いくら「納税」対策や「節税」対策をしたとしても、「分割」対策がしっかりと出来ていないとトラブルの原因になってしまいます。

遺産分割でトラブルにならないよう土地活用をする前にまずは財産状況の把握をすることをお勧めします。

ご自身の財産がどのくらいあるのか。その財産状況によって、どのように「分割」「納税」「節税」対策をしていくのかを考えていきましょう。

 

土地活用などを考えられてるお客様へ当センターでは「財産診断」をご提案しております。

財産診断とは「ある時点における対象者の全部の財産」を「相続や節税、資産運用・分割を目的として分析、診断」することです。

※詳しくは以前コラムで書いた「相続対策には生前に財産診断を行うことが重要ですをご参照ください。

 

財産診断をすることによって現在の財産状況の把握をすることができ、そこからどのような対策をしていくことが大切なのかを知ることができます。

しっかりと戦略を立てて計画をしていかないと土地活用をやらなければよかった、ということになりかねません。

節税対策になるからといったような一時的な情報のみで判断せず、全体的な相続を考えて意思決定をすることが重要になります。

 

 

土地活用は始まってからも重要です

 

土地活用は活用をすることがゴールではありません。

土地活用でご紹介をしたトランクルームなど土地のみを賃貸に出す方法では放っておいても賃料が入ってきます。しかし、アパートなどを建築して経営をするとなれば、賃借人の入退去や修繕工事が必要になります。特に築年数が古くなれば、賃料が相場より安いなど特別な事情がなければ入居もしにくくなります。

それから、建物を建てる際に金融機関から借り入れをする方もいらっしゃいますが、金融機関への返済金額は毎月変わらないかと思います。しかし賃料は新築時と変わらず同じ金額が入り続けることはありません。

いかに支出を抑えて、収入を得続けるのかが大切になってきます。

土地活用は活用をすることが目的ではなく土地活用を始めてからも重要になります。

 

さいたま幸せ相続相談センターでは土地活用のご提案はもちろんのこと、活用が始まってからのサポートもさせて頂きます。

当センターの相続コンサルタント久保田より『相続対策で買うべき不動産とは?』でお話をさせて頂きました資産の管理運営(AM)も当センターのグループ企業で行っております。

土地活用のご提案や、すでに土地活用を行っている方もお困りなことなどありましたらどうぞお気軽にご相談ください。

 

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