皆さんこんにちは。
今回は大切な方が亡くなった場合にどのような手続きをすればよいのか、わかりやすく解説します。
相続の手続きには、以下の5つの種類があります。
1.基本の手続き
2.もらう手続き
3.引き継ぐ手続き
4.やめる手続き
5.法律上の手続き
1~5については、当センターにご相談にいらっしゃった方に無料でお渡ししている「相続手続きガイドブック」にチェックリストを掲載しております。
相続が発生した場合にやらなくてはいけないことが一覧表になっています。
気になる方はぜひ当センターまでお問い合わせください。
相続手続きガイドブックについてはこちらのコラムをご一読ください。
本コラムでは、「5.法律上の手続き」について、2回に分けて詳しく解説します。
法律上の手続きの種類
大切な方が亡くなった場合、法律上の手続きは19種類あります。
また、相続人と相続分を確定するためには、遺言書がある場合とそうではない場合で、相続分が大きく変わります。まずは亡くなった方が遺言書を残しているか確認しましょう。
そして遺言書を見つけても勝手に開封しないようにしましょう。
公正証書遺言や法務局で保管している遺言書以外の場合は、「検認の手続き」が必要です。
検認の手続きをせずに遺言書を開封すると5万円の過料に科されます。
1.戸籍の収集
相続人の調査と確認をするために亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本を集めましょう。
戸籍を追っていくと、親族も知らなかった相続人(隠し子など)が見つかる可能性があります。
亡くなった方の戸籍を収集するタイミングで、相続人になるべき方の戸籍謄本も取得していきましょう。もし相続人になる方が亡くなっている場合は、その方の戸籍謄本でさらに相続人の範囲を確定することができます。
戸籍謄本の取得方法についてはこちらのコラムをご覧ください。
2.相続人・相続分の確定(相続関係説明図の作成)
戸籍が集まったら、相続関係説明図を作成しましょう。
相続関係説明図は、亡くなった方と相続人をツリー構造で整理した図面です。
家系図に似ていますが、家系図は代々の系統を書き出し一族の歴史を図面化したもので、相続関係説明図は相続に関係する人物のみを図面化している点で異なります。
相続関係説明図は、相続登記や金融機関での手続きに使用します。
3.遺産の調査(財産目録の作成)
亡くなった方がどのくらい財産を持っているか確認し、財産目録を作成しましょう。
現金や預貯金、不動産といったプラスの財産だけではなく、住宅ローンや借金などのマイナスの財産についても具体的な数字を出していきます。
4.遺産分割協議書の作成
遺産は相続が始まると同時に法定相続人全員の所有になります。自由に遺産を処分するには法定相続人の協議で遺産を分割し、各相続人の所有物にする必要があります。
遺産分割協議で合意した内容をまとめたものが、遺産分割協議書です。
5.特別代理人の申立
相続人に未成年者がいる場合は、特別代理人の申立が必要なケースがあります。
例えば、ご主人が亡くなり、奥様と未成年者のお子様が相続人となり遺産分割協議をする場合、未成年であるお子様には特別代理人を選任しなくてはいけません。
6.遺言書の検認の申立
亡くなった方がご自宅に保管していた遺言書は裁判所で内容を確認してもらい、遺言書としての形式が整っているか裁判所に判断してもらわなくてはりません。これを遺言書の検認といいます。遺言書の検認は、遺言書の有効・無効を証明する手続きではありません。
遺言書を発見し、検認前に開封すると5万円以下の過料に科されるため、遺言書を発見しても勝手に開封しないよう注意しましょう。
7.相続放棄・限定承認の申立
期限:3か月以内
相続放棄と限定承認の手続きは、相続開始を知ったときから3か月以内におこなう必要があります。いずれの手続きも亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所でおこないます。
財産も負債も一切相続したくない場合は、相続放棄の手続きが考えられます。相続財産のうちプラスの財産とマイナスの財産、どちらが多いのかわからない場合は、限定相続(限定承認)という制度もあります。ただし、限定相続(限定承認)は相続人全員でおこなう必要がありますので、皆さんでよく検討していただくことになります。
8.不動産の名義変更登記(相続登記)
遺産分割協議が終わり、相続財産が確定すると亡くなった方の持っている不動産を名義変更する必要があります。
2024年4月からは相続登記が義務化となるため、相続登記していない方はペナルティーがあります。
詳しくはこちらのコラムをご確認ください。
2024年4月スタート相続登記義務化をご存知ですか?【相続コラム】
9.会社役員の死亡登記
亡くなった方が会社役員の場合は、法務局に役員変更の登記申請をする必要があります。
こちらは、亡くなった方のお勤め先に確認してみましょう。
いかがでしたか。
10種類目から19種類目については次回(相続が発生した場合の法律上の手続き②【相続コラム】)詳しく解説します。
執筆:成田春奈