皆さんこんにちは。
本日は、戸籍の附票について、取得方法や相続時に必要となるケースをわかりやすく解説します。
この記事は2023年9月時点の最新の情報を元に執筆しております。
戸籍の附票とは
戸籍の附票とは、ある戸籍が作られてから現在までの住所の履歴が記載されているものです。
その戸籍がある役所で取得することが出来ます。
住所の履歴が載っているため、住民票がある役所に戸籍の附票を請求すると間違える方も多いですが、戸籍の附票は本籍地の役所に請求する必要があるため注意しましょう。
戸籍と戸籍の附票は別物
戸籍の附票とは、ある戸籍が作られてから現在までの住所の履歴を特定するもので、戸籍とは異なります。
戸籍とは、身分や親族関係を証明したもので、本籍が載っていて、住所は記載されていません。
戸籍は、ある戸籍に入っている全員の氏名や出生などの情報が記載されており、本籍地やその人の親の氏名、独身・既婚なのかがわかります。
関連コラム
【第1回戸籍謄本・住民票】相続に必要な書類をわかりやすく解説【相続コラム】
相続時に戸籍の附票が必要となるケース
日常生活ではあまり耳にしない戸籍の附票ですが、相続時には大活躍します。
次の2つのケースで戸籍の附票が必要となります。
1.行方不明の相続人がいる場合
行方不明の相続人がいる場合に、戸籍の附票を取得し、行方不明の相続人の住所を特定することが出来ます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
相続人に音信不通の親族がいた場合どうすれば良いですか?【相続コラム】
2.不動産の相続手続き
不動産の登記事項証明書は、所有者の氏名と住所が記載されています。
亡くなった方が引越しをしているケースでは、不動産の登記事項証明書に記載されている住所が古い場合が多く、亡くなった方の現在の住民票では、同一人物という証明が出来ません。
このような場合に、住民票と一緒に戸籍の附票を提出します。
不動産の登記事項証明書に記載してある過去の住所と戸籍の附票に記載している住所の移動歴を明らかにすることで、亡くなった方が不動産の所有者であることを証明出来ます。
住所特定方法の具体例
行方不明の相続人がいる場合に戸籍の附票を取得して住所を特定するというお話をしましたが、ここでは、具体例を交えて解説します。
例えば、亡くなったAさんの出生から死亡までの戸籍謄本を取得したら、Aさんの隠し子(以下Bさん)がいることが判明した場合に、Bさんの住所を特定する方法を見ていきます。
連絡先のわからないBさんと連絡を取るために、Bさんの本籍地のある役所に戸籍の附票を請求します。
Bさんが結婚して、Aさんの戸籍を出た場合は、結婚前までの住所の履歴がわかります。
その後は結婚後の戸籍がある役所に戸籍の附票を請求します。
このような流れで戸籍の附票を取得し、行方不明のBさんの住所を特定することが出来ます。
戸籍の附票の取得方法
戸籍の附票は、該当戸籍のある役所で請求しましょう。
役所の窓口で請求することも可能ですし、郵送で請求することも出来ます。
また、戸籍の附票に記載されている本人および同一戸籍の方は、コンビニエンスストアでも取得可能です。
戸籍の附票が取得できる方
戸籍の附票が取得できるのは以下の方です。
1.本人
2.配偶者、直系尊属(父母・祖父母など)、直系卑属(子・孫など)
3.本人の代理人
4.正当な利害関係のある第三者
必要なもの
必要なものは以下のとおりです。
役所により必要なものが異なります。必ず役所のホームページを見て確認しましょう。
1.請求書
請求書様式は窓口に備え付けています。役所のホームページでもダウンロードできますので、調べてみましょう。
2.本人確認書類
マイナンバーカード、運転免許証等
3.戸籍に記載のある人との直系親族であることが確認できる資料(必要な場合のみ)
戸籍に記載のある人との親族関係について、役所の戸籍システムで親族関係が確認できる場合は不要です。確認できない場合、資料(請求者の戸籍謄本等)が必要な場合があります。
4.その他
・代理人の場合は代理人選任届または委任状
・利害関係のある第三者の場合は、理由や証明書等が必要
手数料
戸籍の附票の手数料は 1通200円~400円です。
多くの役所では手数料を300円としていましたが、役所により手数料が異なるため、役所のホームページを確認しましょう。
郵送で請求する場合は手数料分の定額小為替を同封しましょう。
戸籍の附票はコンビニでも取得可能
戸籍の附票に記載されている本人および同一戸籍の方はコンビニでも戸籍の附票を取得できます。
コンビニで戸籍の附票を取得する場合の手数料と必要なものは以下のとおりです。
・手数料 200円(役所により異なります)
・必要なもの マイナンバーカード
いかがでしたでしょうか。
一般社団法人さいたま幸せ相続相談センターでは、相続人の調査などのサポートをおこなっています。気になる方はぜひお問い合わせください。
執筆:成田春奈