7月13日のコラムでご紹介をさせて頂きましたが、7月10日より自筆証書遺言の保管制度が開始致しました。

今までは遺言書をご自宅で保管されたり、金融機関の貸し金庫などに預けられるなどして、いざ相続が発生したときに遺言書が見つからないといったお話もありました。

今回の保管制度では全国312ヶ所の法務局や地方法務局で自筆証書遺言を保管することが出来る制度になります。

今回のコラムでは制度の内容や手続方法についてご紹介をしたいと思います。

 

 

保管制度で何が出来るようになったのか

 

冒頭でもお話をしたように今までは自筆証書遺言を作成した場合、遺言書はご自宅などで保管をされることが多い状況でした。

ご自宅で保管をされていると、いざご相続が発生したときに遺言書がどこにあるのか、そもそも遺言書があるのかもわからないと言ったことが度々あります。また相続人によって遺言書を廃棄、隠匿、改ざんをするおそれがありトラブルになるケースも出てまいります。

今回の新制度では公的機関である法務局で遺言書を保管することができ、全国一律のサービスを提供できることとなりました。

これにより先程申し上げた遺言書がどこにあるのかわからないといったことも無くなり、隠匿や改ざんをされるリスクを回避することができます。

また作成をした遺言書が法令で定められている方式通りに作成されているか確認をしてもらうことができます。

※あくまでも方式不備により遺言書が無効にならないかの確認になります。

また自筆証書遺言は相続が発生した場合、検認をしなければいけませんでしたが新制度で保管をした遺言書については検認が不要になります。

このように遺言書を公的機関である法務局へ保管が出来ることにより、紛失や隠匿等の防止に繋がり円滑な相続手続きをすることが可能になります。

 

 

保管をするための手続方法

 

それでは実際に遺言書を保管するためにはどのような手続きが必要になるのでしょうか。

まず保管の申請をする保管所を決めます。

保管が出来る場所は下記のいずれかになります。

 

・遺言者の住所地

・遺言者の本籍地

・遺言者の所有する不動産の所在地

 

保管の申請については本人確認のため、遺言書を作成した本人が保管所に行き申請をすることになります。

そのため保管所へ行くことができない場合は新制度を利用することができないので注意が必要です。

申請の際には「遺言書」「申請書」「本籍の記載のある住民票の写し」「本人確認書類」「手数料(1通につき3,900円)」が必要になります。

尚、保管をする遺言書は遺言書原本と画像データとして保管されます。

原本:遺言者の死亡の日から50年間

画像データ:遺言者の死亡の日から150年間

 

 

公正証書遺言との違いは?

 

新制度により公的機関へ保管をすることが可能になった自筆証書遺言ですが、同様に安全性が高いとされる公正証書遺言とはどのような違いがあるでしょうか?

 

まず遺言書の作成手間ですが、公正証書遺言遺言の場合、公証役場で証人立ち会いのもと作成をする必要があります。その点、自筆証書遺言はご自身で作成をして保管所に預けるだけになりますので、いつでも作成でき煩雑な手続きも少なく作成をすることができます。

 

続いて費用面ですが、公正証書遺言を作成する場合、公証役場で遺言書を作成するのですが、財産価格によって手数料が変わってきます。

100万円以下の財産で5,000円の手数料がかかり、5,000万円~1億円以下の財産では29,000円の費用がかかります。

新制度の手数料では申請費用として遺言書1通につき3,900円のみとなっています。

 

その他としてはどちらも公的機関で保管をすることが出来ますので、安全性は高く、検認も不要になります。

 

尚、手続き方法でもお伝えしましたが、新制度では本人が直接保管所へ行き保管の申請をすることが必要になります。公正証書遺言であれば費用はかかりますが、公証人が遺言者のもとに来てもらうことも出来ます。

 

手間や費用面で見ると自筆証書遺言が手間がかからず費用も抑えられるため良いかと思いますが、遺言書の作成にあたってはトラブルとならない内容で遺言書を作成をすることが重要となってきます。

自筆証書遺言を保管する際には方式不備がないかの確認をしてもらえますが、内容まで細かくチェックは致しません。

そのため不動産の記載漏れがあったり、遺留分を侵害している等、方式に不備はなくとも遺言書がトラブルの原因になってしまうこともあります。

できれば自筆証書遺言、公正証書遺言共に専門家のサポートにより遺言書の作成をすることをおすすめ致します。

 

公正証書遺言についてはこちらをご参照下さい。

遺言書は公正証書遺言がおすすめです【司法書士コラム】

 

 

まとめ

 

今回、保管制度がスタートをしたことにより、円滑な相続を進めることが出来るようになってくるかと思います。

また令和3年以降頃から本格的に運用が開始されるようですが、遺言書を保管した方が亡くなった場合、あらかじめ指定をした人に遺言書が保管されていることが通知されるようになるとのことです。

預けた遺言書の存在を知ってもらうことが出来るので安心ですね。

しかしながら遺言書の内容によってはトラブルの原因となることもありますので気を付けなければいけません。

さいたま幸せ相続相談センターでは円満な相続となるよう遺言書作成のお手伝いをさせて頂きますので、どうぞお気軽にご相談下さい。

 

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