こんにちは!司法書士の石川です。

 

遺言といえば、紙に自分でその内容を記載して、封筒に入れて封をするというイメージがありませんか?

 

もし遺言は必ず本人が記入しなければならないとなると、病気や障がい等の理由により字が書けない人は遺言のこすことはできないのでしょうか。

 

結論から申し上げますと、公正証書遺言という方法であれば、字が書けない人でも遺言をのこすことはできます。

 

<自筆証書遺言では、遺言をのこすことはできません>

 

自分で紙に遺言の内容を記載する方法による遺言を、自筆証書遺言といいます。

 

自筆証書遺言とは、その名のとおり自筆で遺言書を書かなければならず、誰かに代筆してもらうことはできません。

 

つまり、字が書けない人は自筆証書遺言を作成することができないことになります。

 

<公正証書遺言であれば字が書けなくてもOK>

 

公正証書遺言とは、遺言を作成する人(遺言者)が、公証人に遺言の内容を伝え、公証人がその遺言の内容を文章にする方法により、遺言者の遺言を作成するタイプの遺言をいいます。

 

公証人に遺言の内容を伝えることにより、公証人が遺言を作成しますので、遺言者は文字を書く必要がありません。

 

そのため、文字が書けない人でも公正証書遺言という方法であれば、遺言をのこすことができることになります。

 

<公証人の出張サービス>

 

公正証書遺言は、遺言者と証人が公証役場に行き手続をする方法が一般的ですが、もし遺言者が病気等の理由により公証役場に行くことができない場合は、公証人が自宅や病院等へ出張してくれるサービスもあります。

 

自宅や病院等から出られない方でも、このサービスを利用することにより、公正証書遺言を作成することができます。