こんにちは。相続コンサルタントの馬渕です
「相続」は誰もが避けて通れない手続きである一方で、人生においてそう何度も経験することではありません。
「相続は大変だ」というぼんやりとしたイメージはあっても、いざ当事者になれば不安でいっぱいになることと思います。
まず何から手をつけたらいいのか。どんな手続きが必要で、誰に相談すればいいのか。相続が発生すると、こうした疑問が次々と湧き上がり、焦って相談先を探される方が多いのが現状です。
多くの方が「知名度のある銀行なら安心だろう」「葬儀社に紹介された人ならどこも同じだろう」と、安易に選択してしまいがちです。
私は、さいたま幸せ相続相談センターの窓口として多くの現場を見てきた経験から、この「最初の窓口選び」こそが、その後の家族の運命を左右する最重要ポイントであると考えています。
今回は、専門知識以上に重要な「プロ選びの裏側」について、実務家としての本音をお話しします。

「感情」が最大のポイント
実は、相続とは単なる事務的な手続きではありません。故人が人生をかけて築き上げた財産と想いを次世代へ引き継ぐ家族の大きな節目であると言えます。
だからこそ、相続において「感情」は非常に重要な要素となります。相続をきっかけに絆が深まるご家族もあれば、残念なことに「もう顔も見たくない」と絶縁状態になってしまうケースも・・・。
「感情」は極めて繊細で、人によって受け取り方も異なります。相続においては、一見すると合理的ではないことが「正解」となる場合も多々あります。
「99%の人がAを選んでも、その人にとってはBこそが最良の選択である」
これが相続の奥深さだと日々感じています。
そのため、相続コンサルタントはご家族皆様とのコミュニケーションをとても重要視しています。どのような選択肢がその方にとって最良なのか考えるためには、細かなコミュニケーションが必要不可欠です。
当センターでは、事務的な手続きは当然ながら、それ以上に「感情」への配慮を優先し、親身な「傾聴」を重視しています。
初回の面談で、単に数字や手続きの話をするのだけではなく、「どうしたいか」を丁寧にヒアリングしてくれるか。あなたが安心して本音を話せる相性の良さがあるか。そこを厳しく見極めることをお勧めします。
相続は「マニュアル化」できない~大手・有名の罠~
相続には、一つとして同じ形はありません。
家族構成、関係性、財産の内容・・・それぞれの事情が異なるため、Aさんにとっての正解がBさんに当てはまるとは限らないのです。ひとつとして同じ正解がない、これが相続の難しさであり肝です。
そのため、相続をマニュアル化することは難しく、担当者の力量や経験値によるところが大きいのが正直なところ。相続相談においては「組織の規模」と「サポートの質」は必ずしも比例しないと言えます。
実際に、大手金融機関のサービスから私の元へ「セカンドオピニオン」に来られたお客様の事例をご紹介します。 その方は「大手の看板のついた金融機関なら間違いない」と、とある金融機関の相続サービスを利用されていました。
最初に面談をした担当者と会って感じがよかったので安心して手続きを依頼したそうです。手続きに入ると、各手続きに業務の担当者がおり分業されていて、相続手続きの全体像を把握している担当者の不在を感じていたそうです。
質問しても回答に時間がかかり、不安な日々を過ごされていたそうです。 さらに、相続人の間で方針の食い違いが出た際、担当者から「紛争になった場合はこれ以上サポートできない」と、突然ハシゴを外されてしまいました。
暗中模索の中、頼りにしていたプロに手綱を離されてしまったお客様の絶望感は計り知れません。看板の大きさだけで選ぶことが、必ずしも誠実な対応に直結するわけではないのです。
実は、複数の士業が連携する複雑な手続きほど、分業化された大手では「専門外」と断られてしまうケースも少なくありません。大手だからこそすべてをカバーしていると想像あえてされるお客様も多いかと思いますが、実は逆なのです。
当センターでは、コンサルタントが中心となり、各分野の専門家による「あなただけのチーム」を編成し、全体をコーディネートしながらサポートを行っています。
「専門家にとっての正解」が「家族の正解」とは限らない
よくある失敗例に、専門家による「善意の押し付け」があります。 税理士が節税メリットだけを考え、家族の話し合いを待たずに手続きを進めてしまうようなケースです。
一般的に、相続対策といえばいかに税金を安くするか、いかに法的に不備なく分けるか、いかに手間のない方法を選択するか、といった合理性が追求されます。しかしながら税負担が抑えられたとしても、背景や想いを共有しないまま進めることは、真の意味でお客様のためにはなりません。
また、家族全員の納得感を得るために、あえて税金面では不合理とされる方法を選択する場合もあります。
- 「損をしてでも、この土地だけは守りたい」
- 「税金は高くなっても、揉めない分け方をしたい」
- 「実はこの不動産は重荷なので、相続したくない」
こうした想いを「非合理的だ」と切り捨てず、言葉の裏にある願いを汲み取ることができるか、が重要です。
時に税理士や弁護士などの士業は、専門家であるが故に、非合理的な「感情」に基づく決断に反対する場合や、ひどい場合には「税負担を抑えられるのだから、これが最善だ」といったように自分の専門家としての判断はお客様にとっても絶対的にプラスだと信じて相談なく手続きを進めてしまう方もおられます。
たとえそれが「お客様のため」を思っての行動であっても、家族の背景や想いを共有していない進め方は、真の意味でお客様のためにはなりません。
説明不足やコミュニケーションの欠如は、手続きが終わった後に「こんなはずじゃなかった」という後悔や、親族間の不信感を生む原因となってしまいます。そのような思い違いが発生しないよう、丁寧なコミュニケーションをとってくれる専門家なのか、丁寧に話を聞いてくれる専門家なのか、見極めるようにしてください。
相続の背景を共有していない人と一緒に手続きを進めるのは、お客様にとっても非常にしんどい作業となってしまいます。だからこそ、私たちは対話を何よりも重視し、お客様の言葉の裏にある本当の願いを汲み取り、各専門家へ伝える。この「翻訳」と「調整」のプロセスこそが、ワンストップサービスの真の価値だと考えています。
ゴールをどこに見据えるか――長期的な視点の重要性
相談を受ける側(業者)によっては、短期的な売上のために「今すぐ不動産を売却しましょう」と決断を急がせることがあります。しかし、相続は手続きが終わってからが「新しい生活のスタート」です。私は、10年、20年、さらには50年先のお客様の姿を想像するようにしています。
以前、当センターにご相談にいらしたお客様でこんなこともありました。
代々の大地主様で、複数のマンション等を経営しておられるご家族でした。ご相続が発生しご相談をいただいた際は、相続対策はほとんどされておらず、納税資金が不足しており所有している不動産を売却し、納税資金を捻出しなければならない状況でした。
顧問税理士からは複数所有している不動産のうち、一等地の駅前にあるマンションであれば、すぐに売却でき納税資金を確保できるため、急いでそのマンションを売却するように言われたそうです。確かに、好立地の物件ですぐに買い手が見つかることは明らかでした。
しかし、調査の結果、そのマンションは将来の家族の安定した収益の要となる物件でした。私たちは、空室の目立つ郊外の収益性の低い物件からの売却を提案。
当初売却を検討していたマンションより、売却は難しい物件ではありましたが、結果として、無事に納税を済ませつつ、優良な資産を守ることができました。現在では、お孫さんの代までサポートをさせて頂いております。
この事例のように、相続においては、「急がば回れ」の考えが非常に重要です。なかには、短期的な成果のでる提案や簡単にできる提案をするプロも少なからずいるのが現実です。
いくつかの選択肢とそのメリット・デメリットをしっかりと説明し、長期的な視点を持ち合わせた誠実な担当者であるかしっかりと見極めていただきたいと思います。
長期的な視点を持った誠実な担当者であるかを見極めてください。相続手続きの終わりは、次世代の相続の始まりでもあります。代々にわたって家族に寄り添えるパートナーを選ぶ視点が不可欠です。
まずは「心の整理」から始めませんか?
冒頭でお話しした問いに、私は一つの明確な答えを持っています。
それは、「あなたの言葉にできない不安を、そのまま受け止めてくれるプロを探してみてください」ということです。
相続の手続きをスムーズに進めるための法律や税務の知識は、あくまでも手段に過ぎません。どんなに複雑な相続の専門知識や経験があっても、相続手続きは実はうまくいきません。大切なのは、お客様のもつ不安な気持ちやご家族の想いなどの感情をしっかりと汲み取り形にしていくことができるかです。
私たちさいたま幸せ相続相談センターは、そんな想いをモットーに、お一人お一人のお客様に合わせたサポート体制を整えています。単なる手続きの代行者ではなく、これからの長い歳月をご家族とともに歩むパートナーでありたいと考えています。
このコラムが皆様の信頼できるプロを探す一つの指標となればと思います。




