遺贈寄付は、お金持ちがするものと思っていませんか?遺贈寄付は、遺産の全額を寄付する必要はなく、ご自身で金額を決めて寄付することができます。例えば、遺産の10%や5万円だけなど、金額を自分で設定して、ユニセフや国境なき医師団など、ご自身が貢献したいと思う団体に遺贈寄付することも可能です。

このように遺贈寄付は、誰にでも少額から行える人生最後の社会貢献として、注目されています。

 

本記事では、遺贈寄付の手続きの流れや気を付けるべきポイントについて詳しくご紹介します。

ぜひご一読ください。

 

遺贈寄付とは?

遺贈寄付とは、自分が亡くなったら、NPO法人、公益法人、学校法人などの非営利団体に遺産を寄付することです。遺言書で寄付したい旨を記載して、遺言執行者が寄付先と連携し、遺言書の内容に従って寄付を行うのが一般的です。

 

なぜ遺贈寄付が注目されているの?

遺贈寄付が注目される背景には、核家族化、熟年離婚、子どもを産まない選択をする夫婦などの社会状況が大きくかかわっています。

相続用語で、配偶者と子どもがいない方のことを「おひとりさま」とお呼びしていますが、おひとりさまの財産は、親、兄弟、甥、姪に相続されます。

親、兄弟、甥、姪がいない場合は、遺産は国庫に寄贈されます。つまり、国の財産になるのです。

このような背景から「自分の財産が国のものになるのなら、人生最後の社会貢献として遺贈寄付したい」という方が増えています。

 

寄付と遺贈寄付の違いとは?

皆さんは、寄付をしたことはありますか?

ユニセフや赤い羽根共同募金などは、小学校のボランティア活動で、募金を行った記憶がある方も多いのではないでしょうか。近年ではふるさと納税を行う方が多いと思いますが、ふるさと納税も寄付の一種です。

 

寄付は生前に行うもの、遺贈寄付は遺産の一部を応援したい団体に寄付するものです。

寄付をするために自分の生活が苦しくなってしまっては本末転倒なので、寄付をするためには生活の余裕が必要です。

しかし、寄付をしたいけど、人生100年世代といわれているこの時代に老後のお金がいくら必要になるのか、いくら寄付できるのか判断がつかないという方は多いのではないでしょうか。

 

遺贈寄付であれば、亡くなったときに残っているお金を自分の応援したい団体に寄付することができます。

 

遺贈寄付の流れとは?

遺贈寄付の流れは次のとおりです。

1.遺贈寄付の専門家に相談する

2.寄付先を決める

3.遺言執行者を決める

4.遺言書を作成する

5.相続開始、寄付の実行

 

一つずつ詳しくご紹介します。

 

1.遺贈寄付の専門家に相談する

まずは、遺贈寄付の専門家に相談しましょう。

どこに相談して良いか迷っている方は、当センターのサポートメンバーである三浦美樹司法書士が代表理事を務める一般社団法人 日本承継寄付協会へご相談ください。

 

遺贈寄付が注目され始めたのは最近のため、まだ制度内容がわからない方が多いです。さらに、相談先も少ないのが現状です。一般社団法人 日本承継寄付協会は、相談窓口での支援を通じて、寄付したい方と専門の士業をつなぐためのご相談を受け付けています。

 

2.寄付先を決める

では、遺贈寄付する団体の決め方についてご説明します。遺贈寄付を受け付けている団体であれば、遺贈寄付できるため、ご自分の興味のある分野の団体をいくつかピックアップしましょう。ここで、気を付けていただきたいポイントが、団体の信頼性です。ご自身の遺産をきちんと社会に役立ててくれる団体に遺贈寄付するために、事前に調べてみることをおすすめします。

 

寄付先の種類

遺贈寄付を受け付けている団体は大きく分けて次の5つです。

1.NPO法人

2.社団法人

3.財団法人

4.学校法人

5.自治体

 

ユニセフや国境なき医師団などの知名度のある団体だけでなく、自治体や地域の子ども食堂なども遺贈寄付を受け付けている団体があります。

 

3.遺言執行者を決める

遺言執行者とは、遺言書に記載してある内容通りに実現する人のことです。

遺言執行者は相続人から選ぶこともできますが、弁護士や司法書士といった第三者の立場の方に依頼するとスムーズに相続手続きを行うことができます。

 

4.遺言書を作成する

遺言書は、少しでも不備があると無効になってしまうため注意しましょう。遺言書の作成に不安のある方は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

 

5.相続開始、寄付の実行

ご自身がなくなったら、遺言執行者が遺言書に記載の内容通りに遺贈寄付の手続きを行います。

 

遺贈寄付の気を付けるべきポイント2つ

遺贈寄付をする場合に気を付けるべきポイントを2つご紹介します。

それは次のとおりです。

1.現金以外の遺産は寄付を受け付けてもらえない場合があること

2.寄付を受けた側が遺留分侵害請求権を受ける可能性があること

 

一つずつ詳しくご紹介します。

 

1.現金以外の遺産は寄付を受け付けてもらえない場合があること

不動産などの寄付を受け付けていない団体が多いため、遺贈寄付をする予定の団体に事前に問い合わせましょう。

不動産を寄付したい方は、遺言執行者に不動産を現金化してから遺贈寄付するように手続きをすることで、確実に遺贈寄付をできるように工夫しましょう。

 

2.寄付を受けた側が遺留分侵害請求権を受ける可能性があること

遺留分とは法定相続人が最低限相続財産をもらうことができる権利です。

遺留分まで寄付してしまうと、相続人が寄付先に「遺留分侵害請求」を行った場合、寄付先に迷惑をかけてしまうため、相続人の遺留分まで遺贈寄付しないように注意しましょう。

 

遺贈寄付についてもっと知りたい方へ「えんギフト」のご紹介

最後に、遺贈寄付の情報を発信している「えんギフト」についてご紹介したいと思います。

 

 

えんギフトは、当センターのサポートメンバーである三浦美樹司法書士が代表を務める一般社団法人日本承継寄付協会が運営している情報発信メディアです。

えんギフトには遺贈寄付の体験談や、寄付先のご紹介などが掲載されております。

 

遺贈寄付についてもっと知りたい方は、まずはえんギフトを資料請求してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

遺贈寄付は、遺産のすべてを寄付する必要はなく、例えば遺産のうち3万円だけご自身のお孫さんが通っているこども食堂に寄付することもできます。

「ぼくのおじいちゃんは、ぼくの通っている食堂にお金を贈ってくれたんだ」とご自身が亡くなった後もあなたの想いがお孫さんの心に残り続けます。

 

財産の一部を遺贈寄付したケースでは、残された家族が遺贈寄付をしたことについて好意的に受け止めていることが多いです。

遺贈寄付をする場合は、事前に社会貢献や節税対策についてご自身の想いをしっかりと家族に説明しコミュニケーションをとることが大切です。

 

遺贈寄付は誰もができる社会貢献です。

あなたの生きた証を社会に残してみるのはいかがでしょうか。

 

執筆:成田春奈