皆さんこんにちは

相続コンサルタント・行政書士の稲垣です。

現在高齢者の5人に一人が認知症になる時代と言われていますが、その治療薬が発売されました。

今回は昨年12月20日に国内で発売された「レカネマブ」についてお話します。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC12CYI0S3A211C2000000/

(参照:R5.12.13 日経新聞)

 

レカネマブとは

レカネマブは製薬会社のエーザイが米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬です。

日本では2023年9月に正式承認されました。これまで多くの製薬会社が開発に挑んできましたが、相次いで失敗してきました。エーザイは約40年にわたる認知症の研究が実り、新薬の実現にこぎつけました。しかしながら、まだまだ課題も多くあります。

 

効果

まずレカネマブは全てのアルツハイマー病に効くわけではありません。対象となるのは日常生活に支障がない程度の物忘れなどの症状が出始めた初期段階か、認知症に移行する前の軽度認知障害の患者です。意思疎通が難しくなった「中等度」「重度」の患者には適用できません。現在国内の認知症患者数は600万人以上とされていますが、投与の対象となる患者は年間1~3万人規模と見られています。しかも薬の効果は認知機能を改善するのではなく、症状の悪化を緩やかにするにとどまります。臨床試験の結果によると平均27%進行を遅らせることができるとのことです。また副作用として脳の微小な出血や腫れ、頭痛などが報告されています。

 

価格

厚生労働省が定めた薬価において、体重50キログラムの人のケースにおいて年間約298万円となりました。ただ高額医療費の制度を利用すると患者の負担は70歳以上の一般所得者で年14万4千円で済みます。また投与を受ける場合は1年を超えて、2週間に1回の通院が必要になります。現在は認知症と診断されたときに保険金が支払われる認知症保険も普及しており、加入を検討するのもよいでしょう。

 

どこで治療を受けられるか

レカネマブの投与にはまず認知症かどうかの診断を受ける必要があります。かかりつけ医や市区町村の相談窓口である地域包括支援センターで認知症の専門医を紹介してくれます。しかし現在認知症の専門医として認定されている医師は国内に3000人程度であり、決して十分な人数とは言えません。

 

まとめ

今回は認知症治療薬レカネマブについてお話しました。新薬とは言え限界があり、前述したように、現状その効果は軽度の認知症患者の進行を遅らせるのみです。しかし、症状が進行していくのを「ただ見ているしかなかった」患者とその家族にとっては、進行を遅らせるという選択肢がでてきたことは希望の光と言えるでしょう。また今年1月から認知症基本法が施行され、より社会の認知症に対する関心が深まっていることを感じます。

 

弊社においても認知症の方の相続の相談は多く寄せられていますが、新薬の発売により相続対策について時間的な猶予ができる可能性もあります。しかし、こちらについても薬の治療と同じく早期の対策が肝要であり、重症化するとその対策はより困難なものとなります。当社団においては遺言作成、家族信託の組成など認知症対策となるサービスを扱っています。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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