こんにちは、相続コンサルタントの山中です。

この度は相続財産の中に不動産がある場合(相続不動産)のお話になります。

 

相続は相談者様ごとにお悩みが異なるため、ひとつとして同じお話はありませんが、ひとつの切り口としてご参考になればと思い、この度のコラムを書かせていただきます。

 

相続した財産の中の不動産の割合は4割程度といわれています。

不動産は預貯金など他の財産と比べて価格の算定が難しかったり、物理的に分ける(半分にするなど)のが比較的難しく、できたとしてもコストがかかるなど特徴があります。また、換金するにも売却手続きなどの面から手間がかかります。

不動産の相続の方法は、そのまま不動産の状態で相続する方法の他、換金して相続人同士お金で分ける方法、一人が不動産を相続する代わりに対価を他の相続人へ支払う方法などがあります。

不動産を所有し続ける場合のリスクとしては、固定資産税や都市計画税、管理費用などの出費(庭木の剪定や建物の修繕費用など含む)、管理責任(相続はしたものの住まない状況等では劣化した建物の倒壊、庭木の一部が隣地へ越境するなども考えられます)などがあります。

 

不動産を売却する際には、売主が負う責任である、契約不適合責任が大きなリスクとなり得ます。専門的な内容を含みますが、まず契約不適合とは何かというと、売買した建物や土地に、契約に予定していない欠陥(雨漏りや土壌汚染、地中埋設物など)があった場合などをいいます(引渡された目的物が、種類、品質等に関して、契約の内容に適合していないことをいいます)。

つぎに契約不適合責任とは、不動産売買において売主は買主に対して、種類・品質に関して、契約に適合した目的物を引き渡す義務を負うことをいいます。言い換えれば目的物に契約不適合があった場合には、売主は、売主に帰責事由がなくても、隠れたものではなくても(買主が知っていても)、債務不履行責任を負うということになります。

つまり買主は売主に対し、売主の債務不履行として、追完請求(目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡し)ができ、追完請求がされないときには代金減額請求ができることになります。また、買主は、売主の履行不能・債務不履行(催告しても履行が無い場合)には契約解除ができます。

 

※売主に帰責事由がある場合には、買主は損害賠償請求もできます。

(参考:公益社団法人 不動産流通推進センター ホームページ:https://www.retpc.jp/shien/soudan/kashi/

 

相続不動産については、売主となる相続人の方が対象となる不動産についてよく知らない状態のことがよくあります。

※亡くなった方が住んでいたが、相続人の方は遠方に住んでおり、不動産の状態を知らない等

自身の不動産を売買する場合に比べ、状態をよく知らない相続不動産を売却する場合の方が売主の契約不適合責任のリスクにどのように対応するか重要になります。相続財産中に不動産がある場合、契約不適合責任のリスクへの対応、不動産以外の財産について相続人間の分割方法についての相談ができるなどの面から単純な売買サポートだけではなく、法律面からも専門的なサポートが受けられる専門家集団の方が相談者の方の負担を減らすことができるかもしれません。

 

いかがでしょうか、相続財産中に不動産がある場合の考え方の一つの切り口としてご説明をさせていただきました。本コラムが少しでもご相談者様のお役にたてることができておりましたら幸いです。何か気になられることがありましたら1時間程度の無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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