祖父母との同居を機に引っ越した後、家族で住んでいた自宅をそのまま「戸建賃貸」として貸していたのですが、ちょうどコロナ禍前に20年程住まわれていた入居者の方が退去され、そのまま空家となっていました。

物件は埼玉県内の駅から徒歩約18分。築49年の木造2階建です。

外観をぱっと見た感じでは「賃料によってはまだ貸せるかな?」といった印象なのですが、退去後の室内、設備の状態を確認すると、できれば風呂トイレの設備交換も要検討といった状態でした。 

通えない距離ではないので、とりあえず空家になったことと、何かあれば連絡もらえるよう近隣の方にお願いして、年数回草取りや空気の入換えのために通うことにしました。

父は「まだ使えるんじゃないか?修繕すればまだ貸せるだろう」

母は「そんなお金かけてリフォームしてもね・・・売ってしまってもいいんじゃない?」

両親が購入したマイホーム、夫婦で見事に意見が割れています。

さてどうするか・・・ことあるごとに「あの家どうする?」と親子で意見交換をしてもまとまりきらず、修繕するでもなく売却するでもなく、ここで結論を急いで波風立てる(親に強めに意見する)よりはもう少し両親の気持ちの踏ん切りがつくまで経過観察が良いのかな・・・と様子を見ていました。

実際の空家管理は、両親は高齢ですので私が休みの日に春~夏は草取りを、秋~冬は落葉掃きをしては毎回7~8袋のゴミ袋を持ち帰っていました。はじめは自分も住んでいた家ですので懐かしさもあり定期的に通っていましたが、2年を過ぎてくると年に数回の掃除でも「この後何年も何も生まない空家管理が続くのは負担になるかも。」というのが正直な子供の気持ちでした。

今回、実際に自分が体験してみて感じたことは「家は案外簡単に空家になってしまう」そして「人が住まなくなると家は老朽化が進む」ということでした。どちらも良く言われていいることではありますが、まさにその通りです。

当センターへのご相談でも「親の体調・体力の変化で思いがけず急に実家が空家になってしまった。」といったお話はよくございます。

空家をどうするか検討するためには、「修繕費」「賃貸需要」「賃料相場」「売却時の相場」「諸費用」「税金」など比較するための情報収集が必須となりますが、これらの正確な情報を個人で全て収集するのは、なかなかハードルが高いような気がします。

当センターでは不動産を保有するか、売却するか検討するための資料作成だけではなく、ご相談者様、ご家族様のお気持ちも丁寧にヒアリングさせていただいたうえで、将来を見据えたご提案をしております。ご相続された不動産に空家がある。この先空家になる可能性の不動産を所有している。といったご相談がござましたらお気軽にお問合せ下さい。

さて、我が家の「あの家どうする問題」の続きですが「現実的、将来的に子供や孫が家を建てる可能性が低いならこの機会に売却しよう。」と両親が答えを出しました。

売却までのお話はまたの機会にご紹介できればと思います。