皆さんこんにちは。

相続の手続きでは、亡くなった方の「生まれてから亡くなるまで」の戸籍謄本が必要です。

 

戸籍は、婚姻・転籍・戸籍の改製などの事由で新しく編成されるため、その度にその人の戸籍は増えていきます。

そのため出生から死亡までの戸籍は、いくつかの市区町村にわたっていることの方が一般的です。

 

本コラムでは、具体例を交えながら、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本の取得方法を解説していきます。

今回亡くなった方を架空の人物「埼玉幸太郎さん」と設定して、埼玉幸太郎さんの出生から死亡までの戸籍を戸籍謄本の見本を確認しながら取得しましょう。

 

戸籍についてのコラムはこちらをご覧ください。

【第1回戸籍謄本・住民票】相続に必要な書類をわかりやすく解説【相続コラム】

 

1.埼玉幸太郎さんの死亡が確認できる戸籍全部証明書を取得しましょう

埼玉幸太郎さんが亡くなった時点の本籍地の市区町村で埼玉幸太郎さんの死亡記載のある戸籍謄本を請求することができます。

戸籍謄本見本の赤枠①の本籍欄には「さいたま市○○区○○丁目○○番地」と記載されているため、さいたま市役所で埼玉幸太郎さんの出生から死亡までの戸籍謄本を請求しましょう。

 

ここでのポイントは以下のとおりです。

・埼玉幸太郎さんの「出生から死亡までの戸籍謄本が欲しい」旨を伝えましょう

役所で戸籍謄本を請求する場合は、「埼玉幸太郎さんの出生から死亡までの戸籍謄本が各○通ほしい」旨を伝えると、スムーズに戸籍謄本を取得することができます。

 

・定額小為替は多めに入れておきましょう

亡くなった方の本籍が遠方にある場合は郵送で戸籍謄本を請求します。

郵送で請求する場合、出生から死亡までの戸籍謄本が何通になるかわからないため、定額小為替を多めに入れておきましょう。余った定額小為替は戸籍謄本と一緒に返送してもらえます。

 なお、出生から死亡までの戸籍謄本の通数が予めわかっている場合は、過不足のないよう定額小為替を同封するようにしましょう。

 

・役所のウェブサイトで必要書類を確認しましょう

亡くなった方の本籍地のある市区町村のウェブサイトには戸籍謄本を取得する際の必要書類や定額小為替の金額等が記載されているため、必ず確認しましょう。

戸籍謄本 見本

 

 

2.「死亡」の記載を確認しましょう

埼玉幸太郎さんの戸籍謄本の身分事項欄に「死亡」の記載があることを確認しましょう。戸籍謄本見本の赤枠②③をご確認ください。

 

3.戸籍の改製日を確認しましょう

埼玉幸太郎さんの戸籍事項欄で、戸籍の改製日を確認しましょう。戸籍謄本見本では「戸籍改製」と記載しています。これは、本コラム見本の一つ前の戸籍は埼玉県さいたま市にある本籍地の改製原戸籍となることを示しています。

戸籍謄本の確認が出来たら、次に改製原戸籍を確認しましょう。

戸籍謄本と改正原戸籍は本籍地が同じ埼玉県さいたま市にあるため、一度に取得することができます。

 

  1. 4.改正原戸籍を確認しましょう

  2. 埼玉幸太郎さんの改製原戸籍を取得したら、戸籍が連続しているか確認しましょう。

戸籍謄本見本④改製日と改製原戸籍見本⑤のところの削除日が同日であることが確認できます。これにより、戸籍謄本見本と改正原戸籍見本が連続した戸籍であることがわかります。

改正原戸籍 見本

 

5.婚姻前の戸籍を請求しましょう

改正原戸籍見本⑥をみると、埼玉幸太郎さんが幸子さんと婚姻のために従前戸籍(千葉県市川市○○丁目○○)から戸籍を編製していることがわかります。

次は、婚姻前の戸籍のある千葉県市川市に戸籍を請求することになります。

 

このようにして、出生から死亡までの戸籍を追っていく作業をおこない、戸籍を収集しましょう。

普段戸籍に触れていない方は、戸籍謄本を集めるのも読み込むことも難しいと感じるのではないでしょうか。

当センターでは、戸籍の収集、相続人調査等のサービスもおこなっておりますので、ぜひお問い合わせください。

 

 

執筆 成田春奈