皆さんこんにちは。

相続コンサルタントの久保田です。

 

今回は、前回に引き続き、相続相談で見えてき新たな問題を解決するアフターフォローが相続で重要なことを、今までのご相談事例を交えてご説明したいと思います。相続では、一つの問題を解決して終わりとならないことも多いので、普段、私が相続お手続きのサポートをさせて頂く中で気をつけている点もまとめていきますので、皆さんが相続お手続きを行っていただく際の参考になればと思います。

 

事例1.相続税申告をご依頼いただいたA様

 当初A様からは、お父様の相続税申告についてご相談いただきました。

A様のお父様が急にお亡くなりになってしまったことで、相続対策を実施することが出来ず、高額な相続税が課税されてしまう状況でした。税理士とのご契約も済み、A様やご家族の皆様とも詳しくお話をする機会があり、できる限り相続税を節税したいお気持ちが強いことがわかりました。そのため、税理士とも相談の上、財産報告の際には、二次相続に向けた節税対策を行いやすいよう、お母様に相続財産の大部分を相続していただくことをご提案しました。皆様にも、この案にご納得いただき、お父様の相続税申告と並行して、お母様の相続税対策案の策定を進めていき、相続税申告完了後、スムーズに相続税節税対策を行える体制を整えることになりました。

A様の場合、法定相続分で遺産分割を行ってしまうと、高額な相続税が課税されてしまい、かつ、お母様が金融資産を相続できない財産構成でした。そうなると、お母様の節税対策がほとんど出来ないことになってしまいます。一方で、配偶者の税額軽減(配偶者様が相続する一定の財産額まで、相続税を課税しない制度です。)を利用することで相続税を軽減しながらお母様の節税対策の原資を確保することが出来ます。もちろんその分、お子様たちの相続分が減ってしまいますので、お子様たちのご理解やご協力を得られることが前提条件になります。また、配偶者様がお亡くなりになった後に、ご自身の節税対策に前向きになれる方は多くないかと思います。このように、配偶者の税額軽減を利用して配偶者様の相続分を増やすと、基礎控除が減少する二次相続(残された配偶者様がお亡くなりになることです。)時の相続税額が、より高額になってしまう点にも注意が必要です。残された配偶者様のご年齢や健康状態によっては、節税対策を実施できない可能性もありますので、二次相続に向けた節税対策は、様々なリスクを検討した上で方針を決定していただくと良いと思います。

 

相続事例2.財産診断をご依頼いただいたB様

B様からはご両親様の生前対策の前提として財産診断をご依頼いただきました。

 ご両親様は当初、生前対策にはあまり前向きではなかったため、B様が把握しているご状況を基にした財産診断のご提案書を作成することになりました。財産診断のご提案当日も、B様を含めたお子様だけにご出席いただきご提案を行ったところ、お子様方には問題点をご理解いただき、お子様方からご両親様に現状をご説明いただく流れとなりました。

その後、定期的なご状況の確認をさせていただいたところ、ご両親様にも詳しくご説明を行っていただきたいとのご要望をいただきました。財産診断のご提案書を基に、お子様方からご両親様へご説明を行ったところ、ご両親様も現在の問題点をご認識いただき、解決に向けた対策の実施に前向きになっていただけたようでした。そして、直接ご両親様へご説明させていただき、詳しくお話を伺うことが出来たので、より詳細な分析を行い、対策の実行に繋げることが出来ました。

 B様のようにお子様からご両親様の生前対策のご相談をお受けすることも多く、その場合ご両親様にもご協力頂ける場合と、ご協力いただけない場合とで分析結果が異なります。B様の場合は当初ご両親様が生前対策に前向きでなかったこともあり、詳細な金融資産の状況が不明瞭な状態での財産診断のご提案書を作成することになりました。ご家族といえ、ご両親様の詳細なご資産状況をご存じの方はそう多くないと思いますが、それでも7割~8割の精度で分析を行うことができると思います。その様な場合は、財産診断のアフターフォローとして、ご両親様から詳細なお話を伺えた後、すぐに分析内容を修正し、より的確な財産診断のご提案書へ修正を行える体制を整えることが重要だと考えています。

 また、当初からご両親様に詳細なご状況を教えていただける場合でも、財産診断のご提案で見えた問題点の対策をすぐに実施できるような体制を整えておくことも大切だと思います。対策の実施へのお気持ちが高まったタイミングを逃さないよう、定期的なご連絡や他の対策のご提案等のアフターフォローを行うことを心がけています。

財産診断のご提案では、問題を可視化して、その解決策の検討を行いますので、ご提案で終わりではなく、その後の解決策の実施がスムーズに進めていただけるようなアフターフォローが大切だと思います。

 

3.まとめ

 今回ご紹介した2つの事例は、今までにご相談いただいた中のほんの一部ですが、相続では、どの様なご相談でも目の前の問題が解決した後のご状況の整理が大切だと考えています。以前のコラムにも掲載しましたが、ご両親様の相続手続きが終わった後、お子様世代の生前対策が必要になることもよくあります。相続は、ご両親様やご先祖様が大切に守ってきた財産を次世代に承継していく、大きなイベントになりますので、お子様世代・お孫様世代へと大切な財産を繋いでいくサポートができるよう、今後もご相談いただいた方へのアフターフォローをしっかりと行っていきたいと思います。

 

監修:高田江身子税理士事務所 高田 江身子 税理士

 

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