さいたま市・埼玉県の相続相談はさいたま幸せ相続相談センターへ

TEL:048-782-8922

お問い合わせ

さいたま幸せ相続のかたち

新着情報
News

祭祀財産で節税するときの注意点

「お墓や仏壇などを生前に購入しておくと、相続税を節税することができる」と言う話を耳にしたことがある方も多いと思います。お墓や仏壇など、神を祀るために使用する道具は「祭祀(さいし)財産」と呼ばれ、不動産や預貯金などの通常の相続財産とは異なった扱いがされます。

では、祭祀財産を生前に購入しておくことで、なぜ相続税を減らすことができるのでしょうか?

 

今回は、祭祀財産を購入による節税の仕組みと、効果的に節税をする方法や注意点について、詳しくご説明していきます。

 

 

祭祀財産とは

「祭祀財産」と難しい言い方をしていますが、祭祀財産とは神や先祖を祀るための財産のことです。具体的には、お墓や仏壇・仏具などがこれに該当します。自宅に仏壇を置く家庭は年々減っていると言われていますが、先祖代々の家では、仏間と呼ばれる部屋に仏壇を祀っているところも多いのではないでしょうか?

祭祀財産にはその他にも様々な種類があり、その種類は「系譜(けいふ)」「祭具(さいぐ)」「墳墓(ふんぼ)」の3つに分かれています。

 

・「系譜(けいふ)」とは

系譜は、先祖から子孫へと代々続く血縁関係の繋がりが記されたものです。例えば、冊子や巻物、掛け軸などの形で残っている家系図や家系譜などがこれに当たります。

 

・「祭具(さいぐ)」とは

祭具とは、祭祀や礼拝の際に使用する器具や道具のことをいいます。位牌や仏像、仏壇・仏具、神棚などが代表的なものですが、これらに付属している全ての道具も祭具として扱われます。どのような祭具が置いてあるかは、その家庭で信じられている教えによって異なります。例えば、新道を信じている家には神棚が、仏教であれば仏壇や位牌が置かれているかと思います。

なお、神棚や仏壇を設置している「仏間」に関しては、建物の一部であることから祭具として認められていませんので、ご注意ください。

 

・「墳墓(ふんぼ)」とは

墳墓とは、亡くなった方の遺体や遺骨が葬られている設備のことです。例えば、遺体や遺骨が埋葬してある墓牌や棺だけでなく、敷地である墓地もこれに含まれるとされています。

ただし、祭祀財産として認められる墓地は「社会通念上、墳墓と一体のものと捉えられる程度に切っても切れない関係にある範囲の墳墓の敷地である墓地」に限られているため、あまりにも広い土地や墳墓と関係のない土地は認められません。

 

 

祭祀財産には相続税がかからない

先ほどご紹介した3種類の祭祀財産は、不動産や預貯金などの通常の相続財産とは異なり相続税がかかりません。通常、相続財産には「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算される基礎控除を差し引いた額に対して相続税が課税される仕組みになっています。

例えば、被相続人(亡くなった人)が1億円の財産を残して亡くなったケースを考えてみましょう。被相続人の妻と長男、次男の3人が法定相続人になるとすると、この場合の基礎控除額は、3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円となります。したがって、相続財産1億円から基礎控除額4,800万円を差し引いた5,200万円に対して相続税が課されることになるのです。

上記の例から分かるように、相続税の対象となる財産が多ければ多いほど課される相続税も多くなっていきますよね。相続税の対象となる財産には、不動産や預貯金、有価証券、生命保険金、骨董品など様々なものがありますが、その中に祭祀財産は含まれていません。

では、なぜ祭祀財産は相続税の対象とならないのでしょうか?

 

・祭祀財産と相続税の関係は?

なぜ、祭祀財産が相続税の対象にならないのかというと、祭祀財産は原則として「特定の人が承継する」ことになっているからです。

通常、被相続人が亡くなり相続が発生すると、被相続人が持っていた財産は相続人に移ります。相続人が複数人いる場合は、遺産分割協議をして「誰が、何を、どのくらい相続するか」を決めなければなりません。また、被相続人の財産が基礎控除よりも多い場合は、各相続人の相続分に応じて相続税が課されることもあります。

 

一方で、祭祀財産は通常の相続財産とは違い、遺産分割の対象となりません。祭祀財産も通常の相続財産と同じように複数人の相続人が承継してしまうと、祭祀を催すときにトラブルが発生する恐れがあるため、原則として単独で承継することになっています。このように、祭祀財産は通常の相続財産とは分けて考えられるため、相続税の課税対象とはならないのです。

 

なお、相続放棄をした場合、相続財産は相続することができなくなりますが、祭祀財産は受け継ぐことができます。

 

・祭祀財産は誰が承継するのか?

先ほど、祭祀財産は遺産分割の対象とならず、単独で承継するものであるとご説明しました。では、一体誰が祭祀財産を承継するべきなのでしょうか?祭祀財産の承継者について、民法897条には以下のように記載されています。

 

第897条

1.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2.前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

 

条文では難しい表現がされていますが、要するに、祭祀財産の承継者は以下の順番で決めるということです。

 

第1順位:被相続人の指定

第2順位:慣習

第3順位:家庭裁判所の決定

 

祭祀承継者を決める場合、被相続人の指定が最も優先されます。そのため、被相続人が生前に口頭で指定していた場合や、遺言により指定した場合には、その指定された人が祭祀承継者となるのです。ただし、口頭で伝える場合は証拠に残らず、「〇〇を祭祀承継者にすると言っていた」「言っていなかった」と言い争いになる恐れがあります。このようなトラブルを防ぐために、遺言による指定をおすすめします。

 

また、被相続人が祭祀承継者の指定をせずに亡くなった場合は、その家や地域の「慣習」によって祭祀承継者を決めます。

よくあるケースは「長男が祭祀財産を承継する」というものです。現代では減ってきていますが、やはりまだ家制度の名残りから、長男に祭祀財産を承継させることを慣習としている地域もあります。しかし、何が慣習になるかは法律でも曖昧なところですので、慣習を巡ってトラブルに発展してしまう可能性は否定できません。

慣習による祭祀承継者の決定はトラブルの火種となってしまいます。自分の家や地域には慣習があるかどうかを把握し、場合によっては遺言での指定も検討しましょう。

 

被相続人の指定も慣習もなく、相続人同士で話し合っても決まらない場合は、家庭裁判所で指定してもらいます。家庭裁判所では、被相続人との関係性や生前の貢献度、祭祀財産を取得した後の管理などを考慮して、誰が承継者にふさわしいかを判断します。

判断の結果、被相続人と血縁関係のない養子や、法律上の婚姻関係にない内縁の夫・妻が祭祀承継者に選ばれることがありますが、原則として選ばれた人は拒否することができませんので、ご注意ください。

 

 

祭祀財産を活用して節税を

平成25年の税制改正により、相続税の課税対象となる人が増えました。相続税の基礎控除額が大幅に減少したことにより、多くの財産に相続税がかかるようになったからです。税制改正による基礎控除の変化は以下のとおりです。

 

・改正前:5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)

・改正後:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

例えば、夫が亡くなり法定相続人が妻と長男、次男の3人の場合、改正前であれば5,000万円+(1,000万円×3人)=8,000万円を控除することができましたが、改正後は3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円まで減少してしまうのです。法定相続人が3人の家庭では、なんと3,200万円もの差が生じることになります。

基礎控除の減少により、相続税の対象となる人が増え、課税される相続税の額も増えました。そこで、相続税の節税対策が注目されているのです。

 

前章で、祭祀財産には相続税がかからないとご説明いたしました。それ活かし、祭祀財産を生前に購入しておくことで相続税を節税する方法があります。

例えば、5,000万円の財産を持っている人が、生きているうちにお墓や仏具などの祭祀財産を500万円分購入したとします。そうすると、相続税の対象となる財産が4,500万円まで減り、その分相続税を抑えることができるのです。これをうまく活用し、相続財産を基礎控除範囲内に収めることで、相続税をゼロにすることもできるかもしれません。

 

「生きているうちに自分のお墓を買うのは気が乗らない」と思う方もいるのではないでしょうか?しかし、最近では「終活」という言葉が話題になり、遺される家族に相続税で負担をかけないようにと、生前のうちから自分のお墓を用意したり、財産の整理を行ったりする人も増えているようです。

自分の死後、遺された家族が相続のトラブルに巻き込まれないために、生前から対策をとっておきましょう。

 

 

祭祀財産で節税をする際の注意点

祭祀財産を生前に購入しておくことで相続税の節税につながるということが分かりました。ただし、以下のポイントを知らずに購入すると、祭祀財産にも相続税が課されてしまう可能性があります。

祭祀財産で効果的に節税をするために、以下のポイントに注意して対策を行いましょう。

 

注意点① ローンで購入する場合は生前に完済する

墓石の平均購入価格は120万円前後と言われており、すぐに支払うのは難しい金額です。そのため、ローンを組んで購入することを考える方も多いのではないでしょうか?しかし、祭祀財産をローンで購入する際は、注意しなければならない点があります。

相続が発生した時点で祭祀財産のローンが完済していないと、未払いのローンは非課税とならず、相続税の課税対象となってしまいます。

例えば、夫は生前に300万円のお墓をローンで購入したとします。ローンは5年間、60回払いで完済する予定でしたが、残り20回分100万円のローンを残して亡くなってしまいました。この場合、非課税財産となるのは既に支払った200万円のみで、残りの100万円には相続税が課されてしまうのです。

そのため、節税目的で祭祀財産の購入を検討している場合は、現金一括での支払いをお勧めします。また、経済的な問題でどうしてもローンで購入したい場合は、生前のうちに支払いが終わるように、早めに購入を決めましょう。

 

注意点② 不自然に高価なものは課税対象となる

お墓や仏壇・仏具には高価なものも多く、大幅な節税を狙うために意図的に高価な祭祀財産を購入しようとする方もいるかと思います。特に、仏壇は安価なものから高価なものまで幅広く、安いものは10万円から、高いものだと1,000万円以上するものも売られています。必要なものであれば購入しても問題ないのですが、被相続人の財産状況から見て、あまりにも不自然に高額な祭祀財産とみなされると、非課税財産として認められない場合がありますので、注意が必要です。

また、相続後すぐに換金できるような祭祀財産も相続税の対象となる可能性があります。例えば、純金で装飾した仏像や仏具は高価なものが多く、生前に購入しておくことで大幅な節税効果が期待できるかと思われます。しかし、税務署からすると、被相続人は節税のために、換金性の高い純金の仏像を購入したのではないかと判断するわけです。そうすると、遺族にとっては「純金で装飾された仏像」であっても、税務署にとっては「仏像の形をした金塊」とみなされ、相続税が課されてしまうのです。

 

購入するものによっては相続税の対象となってしまいますので、残される家族のためにも、よく考えて購入する必要がありますね。

 

 

祭祀財産を活用して無理のない節税計画を

相続税を少しでも抑えたい方にとって、祭祀財産を活用した節税対策は非常に有効な手段です。しかし、大幅な節税を狙うあまり高価なものを買ってしまっては、非課税財産として認められず、多くの相続税を支払うことになりかねません。

祭祀財産には安価なものから高価なものまで、様々な種類が販売されていますが、非課税となるのは「日常の崇拝対象になるもの」に限られます。「毎日拝むため」という本来の趣旨から外れ、「節税のため」になってしまうと、税務署から目をつけられてしまいますので、常識的な範囲で購入をしましょう。

 

相続の対策に早すぎることはありません。節税対策は早ければ早いほど大きな効果を得られるケースが多いですので、今のうちから対策をとっておくと良いでしょう。

節税対策や相続税についてご不明な点がある方は、一度相続に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

 

執筆:山形 麗 担当:城和 信太郎 監修:税理士 高田江身子

 

■こちらの記事もおすすめです

 相続財産の調査は必要なの?

 

カテゴリー


アーカイブ

  
Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages