こんにちは!相続コンサルタントの山中です。本日は不動産の実勢価格に近い価格ともいわれている(本当は結構階差があるのですが、、、)、地価公示価格の調べ方にについて書いていこうと思います。私のコラムでは何度か書いておりますが、不動産は一物四価とか五価と言われております。これは一つの土地に対して4つまたは5つの評価額が存在するということを意味しています。この中の一つに地価公示価格が入っております。地価公示価格は、国土交通省が毎年公示する価格で、選定された全国の標準地(約26,000地点)の1月1日時点の正常な価格です。毎年3月頃公表され、一般の土地の取引価格に対する一定の指標として用いられています。
例えば不動産の購入を検討した時、土地勘のない場所の不動産を購入しようとしたら、何を頼りに価格の相場を考えるでしょうか。この時に不動産を取り扱うプロでも一つの参考として考えているのが地価公示価格となります。
では実際に地価公示価格の調べ方について見ていきましょう。
※調査対象地として、さいたま幸せ相続相談センターの所在する埼玉県大宮区の住宅地域である
上小町地区の宅地を対象とし、令和3年の価格を調査したいと思います。
■調査対象地:埼玉県さいたま市大宮区上小町
■いつ時点の価格を調査するか:令和3年1月1日
まず、国土交通省の「標準地・基準地検索システム」を検索します。
(URL: https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=0&TYP=0)
そうすると、以下のような図面が出てきます。
まずは、調べたい都道府県を選びます(今回は「埼玉県」)。
そうすると以下のような図面が出てきます。
ここでは、選んだ都道府県が更に市区町村に分かれて細表示されています。
本件では該当の大宮区を選択します。
そうすると、以下のような表示が出てきます。
上記表示の中で今回調べたい対象地について、該当するところにチェックを入れていきます。
※チェックを入れずに検索すると検索結果として出てくる地価公示地の数が多くなってしまい
該当する公示地を探すのが大変になります。
①地価公示を選ぶ
②調べたい年を選ぶ
③調べたい場所の用途について選ぶ
※今回は住宅地の水準を知りたいので、「住宅地」にチェック
④地価の範囲は特段指定しなくても大丈夫
⑤検索ボタンを押す
そうすると以下のように結果が表示されます。
最初にある程度条件を絞ったとしても、これだけ検索結果として表示が出てきます。
(ちなみに大宮区は地価公示の地点数が16地点あるので、図面としては載ってません
が、まだまだ下に続いています。)
この中で調べたい場所の近いところに地価公示地が見つかれば、当該地価公示地について記載されている情報を読み取っていきます。
今回は「さいたま大宮-6」という地価公示地が上小町地区にあるので、この公示地について情報を確認していきます。
最初の検索結果としては上記図面のような情報にとどまりますが、図面上の「詳細を開く」や「地図で確認する」を押すことによって
更に詳しい情報にたどり着くことができます。
順を追って見ていきましょう。
まず現在の表示のまま読み取れる情報としては、
①標準地番号:標準地の名称。今回は「さいたま大宮-6」という標準地になります。
②所在:個人情報にもなりますが、地価公示地に選定された土地については地番まで表示がなされています。
※この表記で調べたい土地の近くなのかどうなのか判断がつく場合もあれば、土地勘が無ければわからない場合もあるので、
わからない場合には、この後記載する「地図で確認する」から地図をみて対象地近くの公示地を選ぶこともできます。
③価格:1㎡あたりの価格が表示されています。本件の場合:314,000円/㎡
④地積:この土地は何㎡なのか、1㎡単位までわかります。
※地価公示で選定されている土地は、その地域の標準的な大きさの土地になりますので、
極端に大きな土地が選ばれることは殆どありません。
では次に「地図で確認する」を押すとどうなるのかを見ていきましょう。
最初は図面の縮尺が大字なので、拡大して対象地価公示地を特定していきます。
「丁目」まで拡大した図面が以下の通りとなります。
ここまでくると、「さいたま大宮-6」を見つけることができますね。
地図で確認すると、調べたい対象地の近くに他の地価公示地があるかどうかも判断できます。
念のため「詳細」まで拡大して確認してみましょう。
では次にこの図面上の黄色い●をクリックすると下のような情報が表示されます。
さらにここで「詳細表示」をクリックすると次のようなポップアップが表示されます。
この表示で確認すべき情報は、「対前年変動率(%)」の項目です。
ここを見ることによって、調べたい年の価格が、前年と比べてどのような価格推移となっているかがわかります。
また、「グラフ表示」を押すことで以下のような画面が表示されます。
これを見て、2012年~2021年のこの地域における価格推移がおおよそ見えてきます。
つまり、この地域は近年地価が上昇傾向にあったが、コロナウイルスなどの影響から市況が悪化している可能性がある。
と読み取ることができます。
では、次に図面としては少し戻りますが、前述で以下の図面を表示していましたので、
再度表示いたします。
この図面の中の「詳細を開く↓」をクリックすると以下のような表示となります。
表示される情報が少し増えました。
この画面で確認できることは、先ほど「地図で確認する」から進めていき確認できた情報と同じものです。
この画面で重要なのは、赤丸で囲った「詳細表示」ボタンになります。
このボタンを押すと不動産鑑定士が作成した当該地価公示地の鑑定評価書を確認することができます。
※同じサイトで同じ調査手順で確認できる地価調査基準地ではこの「詳細表示」ボタンは表示されません。
この鑑定評価書の見方、確認の仕方については、別のコラムでお話させていただければと思います。
いかがでしたでしょうか、本日は不動産の相場感を知るための重要な指標である地価公示地の価格の調査方法について記載いたしました。
ただし、不動産は他の所在と異なる特性を持つため、不動産の適正な価格を一般の方が求めることは非常に困難な部分がございます。
我々さいたま幸せ相続相談センターでは、わかりにくい不動産の時価算定について、高度な知識と豊富な経験及び的確な判断力を備えた練達堪能な鑑定士によるわかりやすく誠実な説明をさせていただいております。
本コラムが皆様が分かり合える円満な相続を実現するための一助となれば幸いです。
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