皆様こんにちは。
相続コンサルタントの久保田です。
 
毎年12月に国税庁から公表される「相続税の申告事績の概要」というデータでは、前年度の相続税申告に関わる概要が掲載されています。
過去10年間の推移を示したグラフもあり、相続税をお考えいただく上でも重要なデータになると考えています。
 
例えば、下のグラフでは平成21年から平成30年までの各年ごとに相続税が課税された方の割合の推移が確認できます。
平成27年で倍近くまで課税割合が増えていますが、こちらは相続税の制度が変わり、基礎控除額が大幅に減額されたことが大きな原因かと思われます。
こちらを差し引いても、年々相続税が課税されてしまう方が増えていることがおわかりいただけるかと思います。
 
次のグラフは、相続財産の金額の構成比の推移を表しています。
平成21年と平成30年を比べると、土地の割合が減って、その分現金・預貯金が増えているように見えます。
一見すると『土地の価格が下がった』『不動産を持っている人が減った』様にも見えてしまいますが、次の表を見るとこの考えが違うことがわかります。
 
この様に、相続財産の金額を見ると、平成21年と平成30年では各項目で下記の推移となっています。
 
土地:1.1倍増
家屋:1.5倍増
有価証券:2倍増
現金・預貯金:2.3倍増
 
不動産の金額と比較して、現金・預貯金・有価証券の増加が目立つ結果となっています。
相続税を計算する上で、現金や預貯金は持っている金額・預けている金額そのものが評価額となり減額ができません。
そのため、相続税対策では現金や預貯金を評価減が可能な不動産に組み替える対策が一般的です。
少し前に「老後は2,000万円の貯蓄が必要」といったお話が流行りましたが、相続税対策の観点ではもったいない資産状況という認識になってしまうのも事実です。
 
万が一に備えて現金や預貯金を持っておくことも大切ですが、将来の相続を踏まえてより良い資産状況に組み換えをしていただくことも大切だと思います。
また、今後は人口減少によって財産が集束していくことになるかと思われますので、今後はより相続税が課税される方が増えるのではないでしょうか?
平成26年までは相続税は一部の富裕層だけの税金でしたが、税制改正以降はより身近な税金となってしまっています。
 
さいたま幸せ相続相談センターではお子様やお孫様の世代により良い形で財産を残せるよう、現状の分析や相続税を考慮した相続対策のご提案をしておりますので、相続税がご不安な方はお気軽にご相談ください。
 
※参照 令和元年12月 国税庁 平成30年分相続税の申告事績の概要
 
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