こんにちは。相続コンサルタントの馬渕です。

今回のコラムは少し趣向を変えて、私が暮らしているまちで行っている地域活動についてご紹介をしたいと思います。私は都内にある築80年の古民家を、地域活動の場となるよう、仲間や地域の方々と一緒に開くという活動をしています。

建物の外観

独り身の高齢の方がお住まいで、その後空き家となっていた建物を地域活動の場として活用している事例の一つとしてご紹介をさせて頂きます。

昨今の空き家問題だけでなく、身寄りのいない方の相続の課題、そして疎遠になっていく地域との関わりの創出といったまちづくりや福祉的な視点といった社会問題を解決するヒントとなる事例になるかと自負しております。空き家となっていた建物を地域活動の場として活用している事例の一つとしてご紹介をさせて頂きます。

どんな活動なの?

足立区の北千住という街にある築80年の古民家を、不定期で地域のために開放をしながら運営をしています。

地域の方々と一緒に朝ごはんを食べる会を定期的に行ったり、趣味の集まりや教室、イベントなど行いたい人たちがこの古民家を利用したり、演劇公演や展覧会、フリーマーケットが開催されたりと多種多様な活動が行われています。

運営主体は、企業やNPO等ではなく、現在は活動に賛同している人々を中心に作られた任意団体にて行っております。

最近では、空き家が増えている市の担当者や、行政の社会福祉協議会や高齢者や障がい者の支援団体といった公的機関だけでなく、公民館や図書館などの指定管理を行う企業様はじめ、実際に自分も空き家を使って地域に開かれた場をつくってみたいという方など、広く活動に注目して頂いています。

子育てをしている中で、地域の人たちと関わることがとても希薄になっていると感じたことが活動のきっかけでした。

そこで、地域の中に誰もがリビングのように過ごせる交流の場・思い思いの活動を自由にできる場があったらいいな…という思いで、空き家となっていた古民家の所有者の方とのご縁があり、この空き家を活用した場を作っていくことにチャレンジすることになりました。

この活動を始めてから約3年が経過しますが、現在は地域の方をはじめとする方の力を借りながら、多様な活動が生まれる場としてさまざまな交流が生まれています。

また、個人的な話ではありますが、地域での活動をこれまで知り合うきっかけのなかった方(学生や地元に住んでいる方、近所の高齢者の方など)との出会いがあり楽しく暮らすことができています。この活動をきっかけとして、町内会のお祭りにも参加したりと地域への愛着も芽生えています。


空き家を取得する方の55%は相続がきっかけ ~空き家の活用のヒント~

私は、もともと大学では建築を専攻し、特に個人が所有する土地や建物を開いて活動を行う「住み開き」といった活動に興味を持ち研究を行っておりました。また空き家などの遊休不動産の活用にも興味を持ちました。

その後、空き家の管理や承継といった課題や相続時の課題解決、しいては地域コミュニティが抱える課題解決にも取り組みたいという思いで、相続の分野にも足を踏み入れることとなりました。

令和4年に国土交通省が発表した統計データによると、今後2030年になると全国でその他空き家数は470万戸にもなると予想されています。また、空き家を取得する経緯の約55%が相続をきっかけとしているとの統計データもございます。

空き家を巡る問題は今後も増えていくことが予想され、より厳しい法改正もなされました。

令和5年に空き家の適正管理を促進する「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、空家等対策特別措置法)」の法改正があり、これまでもより厳しい法令に改正されています。

そのことからも推測できるように、今後も全国でも空き家が課題となっていることは間違いないでしょう。

住む人がいなくなってしまった建物は劣化が早く、外壁や屋根等の腐食も進み破損や劣化の危険性、また敷地内の草木の管理が行き届かず近隣とのトラブルになったり、火災や不法投棄、病害虫・害獣の侵入等さまざまなリスクが内在しています。

空家等対策特別措置法では、「管理不全空き家」という現状すぐに危険状態ではないが、適切な管理が行われず放置されると「特定空き家(危険な状態)」になる恐れがあるとされる空き家についても明文化されました。

固定資産税の税負担が増えたり、行政指導の対象となったりと、これまで以上に空き家の管理者の責任が求められ、適切な管理と対策を行うことが求められています。

実際に当センターでも、遠方の空き家を相続した方からのご相談などは多くお受けしております。手放したくても手放せない。

売るに売れないといったご相談も多々ございます。人口減少段階においては、空き家の数はどんどん増え、埼玉県はもちろん都心部であっても空き家を相続しても活用する方法がないというリスクも十分にあり得ます。

これから相続が控える方にとっては、空き家をどうするか?は大きな悩みの種となるかと思います。

そんな中で、上記でご紹介したように空き家を地域活性化のための地域交流施設として転用することにも活路を見出しています。また、若いクリエイターや起業家などが、シェアオフィスとして利用したり、新しいオフィスや店舗として活用できるような規制の緩和なども検討されています。

空き家を住居としてではなく、改装をして住居以外の用途に活用し、地域に還元していくといった事例も今後増えていくことと予想されます。空き家が問題視されていますが、このような活動が今後増えていくとまちも活性化し、ポジティブな循環が生まれていくことを期待しています。


遺贈寄付・遺言書の活用

遺贈寄付という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃいますでしょうか?

遺贈寄付とは、自分の死後、遺言によって財産の一部を自治体やNPO団体、学校法人等へ遺贈することです。


遺贈寄付について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご一読ください。

不動産をそのまま引き継いでもらうこと自体は、遺贈の受遺者側にとってもハードルも高くさまざまな要件を精査する必要がありますが、第三者へ遺贈するという選択肢もあります。

私が活動させて頂いている築80年の古民家は、もともとは身寄りのない高齢の方が晩年暮らしていた家でした。この長年住み慣れたご自宅をどうしていくか?を考えるようになった際に、生前お世話になった現所有者の方を通じて地域に還元していきたいというお気持ちで遺贈されたことがことの始まりでした。

遺贈は、相続税など様々な注意すべきものもあるのですが、近年とても注目されているしくみです。

ご自身がお世話になった方や縁のある地域に対して、ご自身の大切な不動産や財産を引き継いでほしいというお気持ちはとても尊重されたいと思います。

想いを受け継ぎ、バトンをつないでいくような価値観は大切にしながら、私も自身の活動での経験を通じて、そのようなお気持ちのある方同士をつなぐお手伝いもできたらと思っております。

そのようなお気持ちを形にするために、遺言書の作成のサポートなどもさせて頂いております。


今回は、私の個人的な活動の一部をご紹介させて頂きました。

当センターでは、空き家でお困りの方のご相談も増えてきております。

また、グループ法人に埼玉県を中心に活動をしているまちづくりの団体もあり、まちづくり団体や士業や建築士といった専門家と連携をしながら空き家を通じて社会貢献をしていきたいという方のサポートもさせて頂きます。

一般社団法人さいたま幸せ相続相談センターのグループ法人

遺贈寄付についても、最先端で活躍している士業も在籍しておりますので、是非気軽にご相談ください。