-じゅいしゃ-
遺贈(遺言による遺産の贈与)を受けるものを受遺者、また遺贈を履行する者を遺贈義務者と言います。
遺言執行者が指定されていれば、遺贈義務者は遺言執行者であり、指定されていなければ相続人です。
ただし、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡している場合には、この遺贈の効力は生じないと規定されています。
あくまでも遺言は遺言者死亡時に効力が生じるため、遺言者の死亡以前の死亡の場合だけではなく、同時に死亡した場合も同様です。
この受遺者で重要なことは、相続人でなくても遺言があれば第三者が財産をもらえることにある点です。
被相続人からみれば第三者ではない事実上(入籍されていない)の養子や内縁の妻など、法律的には相続人になれない者に遺産を移すには、遺言以外の方法はありません。
遺言者に借金があった場合、相続人と共にその責任を追う必要があり、遺言者の死亡後受遺者は、いつでも遺贈の放棄をする事が可能です。(986条参照)
そして受遺者が遺贈の承認・放棄をせずに死亡した場合は、その相続人は自己の相続権の範囲内で遺贈の承認・放棄をする事が出来るが、遺言者が遺言に別段の意思を表示した場合にはそれに従うことになります。(988条参照)
受遺者と相続人の違いとしては、法人には相続が観念できないので、相続人にはなれませんが、受遺者にはなることが可能である点、受遺者は遺留分を有さない(相続人固有の権利と解釈されているため)、 受遺者は、代襲相続が発生しない点等の違いがあります。