みなさんこんにちは!
不動産鑑定士の森田努です。

 先日滑川町の国営武蔵丘陵森林公園のこの時期の恒例イベント、「紅葉見ナイト」に行ってまいりました。色とりどりの紅葉した木々が見事にライトアップされており、子供達も大喜びしていました。また、たくさんのお店が出店しており、フードメニューも充実していて、お腹も満足するイベントでした。イベントは今週末まで開催されていますので、皆様も是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

 さて、本日は税制改正に関わるニュースです。
 政府が来年度の税制改正において、いわゆる小規模宅地の特例の適用要件を厳格化する方向で調整に入ったということです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171128/k10011237581000.html

小規模宅地の特例とは、亡くなった方が居住されていた住宅の土地について、配偶者や同居親族が相続する場合、土地の評価額が80%に減額されるという制度です。相続税は不動産や金融資産などの資産の評価額に一定の税率を乗じて算出されるので、この評価額が下がるということは、すなわち、相続税の額そのものが下がるということになります。そして相続土地の評価に用いられる特例の中でも小規模宅地の特例ほど、評価額が下がる特例は他にはなく、節税に非常に効果的な特例となっています。

 小規模宅地の特例を使うことができる対象者は①亡くなった方の配偶者、②亡くなった方と同居していた親族ほか、③亡くなった方と同居していない親族で、かつ、相続発生の3年以内に自分か配偶者の持ち家に居住したことがない者も含まれます。
 小規模宅地の特例は同居していた配偶者や親族が、相続税を支払うために住まいを売却しなければならないようなケースを避けるよう定められた制度なので上記のような要件となり、同居していない親族であっても、持ち家がないのであれば、亡くなった方の住まいを使うようになるかもしれないということで、対象者に含まれることになります。しかし、自分か配偶者が持ち家を所有していたのにもかかわらず、相続の3年以上前に一旦ほかの親族などの関係者に持ち家を売却し、形式上「家なき子」となるなど、本来はこの制度の適用対象にならない相続人が節税目的でこの制度を使用しているケースが認められ、問題視されています。
 そこで、政府は「家なき子」に関するこの要件を厳格化することにしたとのことです。具体的には、相続が始まったときに住んでいる家が、もとは自分の所有だった場合や、3親等内の親族が所有する家などに住んでいる場合は、相続税の特例を認めないことにする、とのことです。
 そもそも、相続税の減額幅が大きい小規模宅地の特例の適用に関しては、従来からかなり厳しくチェックされていました。例えば、②の同居親族に関しても本当に亡くなった方と同居していたのか、その事実確認は厳格に行われていました。もともと要件を満たしていた場合は問題ありませんが、節税目的で事前に既成事実を作成するといったやり方は今後は難しくなりそうです。

 当センターでは、経験豊富な相続税専門の税理士が在籍しておりますので、小規模宅の適用の可否を含めて相続税の支払い額の試算、申告、納税に関するご相談についてしっかりと対応させていただいております。相続税に関するお問い合わせ、ご相談について、初回のご相談は無料で承っております。どうぞお気軽にお電話(048-782-8922)ください。

 

小規模宅地の特例:https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm