みなさんこんにちは!

不動産鑑定士の森田努です。

 

 先日、横浜方面での現地調査のついでに母校の大学を訪ねてみました。卒業して約20年たちましたが、ほとんど当時のままで、とても懐かしい気持ちになりました。思わず学食でランチをしてしまいました。

 

 さて、皆様は最低敷地面積という規制をご存知でしょうか?

 正しくは敷地面積の最低限度ということになります。簡単にいうと、あまりに敷地面積が狭い狭小住宅が乱立することを避けるため、自治体は建物を建てる場合の敷地の最低限度を定めることができるというものです。さいたま市内でも一部の地区について最低敷地面積が定められています。

 最低敷地面積が100㎡と定められた場合、100㎡を下回る土地については建物を建てることができなくなります。ただし、当初から100㎡を下回っている土地については建物を建てることは可能です。

 相続において、この最低敷地面積が問題となる場合があります。

 例えば、相続財産に建物が存在しない更地が含まれており、これを二人の相続人が等しく相続するとなった場合で、上記のように100㎡の最低敷地面積が定められているケースを想定してみましょう。

 もし、その土地の面積が200㎡以上あれば、等分してもそれぞれが100㎡以上取得することとなり、建物を建てることが可能となります。ところが、その土地の面積が180㎡しかなかった場合に等分してしまうと、それぞれが取得する土地の面積は90㎡ずつとなり、建物を建てることができなくなってしまいます。となると、その土地については二人の相続人で共有にしたり、どちらか一方が土地を全て相続し、その分現金などで調整したりといった対応が必要になってきます。場合によっては相続人間の争いの種にもなりかねません。 

 私も、150㎡の最低敷地面積が定められている280㎡の土地について、二人の相続人にそれぞれ均等に相続する、といった遺言が残されていて、対応に苦慮した事例に立ち会ったことがあります。

 

 以上のように、不動産については細かな法律の定めが数多く存在しており、それらを見落とすことによって問題が発生してしまう場合があります。くれぐれも注意したいものですね。