日本経済新聞のニュース(2023/10/3付)によりますと、相続土地国庫帰属制度を利用した、国への土地の引き渡しが初めて行われたとのことです。

 

相続土地国庫帰属制度は令和5年4月に開始されました。
相続した土地について、「利用する予定は無いけれど、管理が必要で負担が大きい」といった状況の場合に一定の要件を満たせば、土地を手放して国庫に帰属させることを可能にする制度です。

 

相続土地国庫帰属制度の流れ

制度の流れは以下の通りです。

(1) 相続等によって、土地の所有権又は共有持分を取得した者等は、法務大臣に対して、その土地の所有権を国庫に帰属させることについて、承認を申請することができます。

(2) 法務大臣は、承認の審査をするために必要と判断したときは、その職員に調査をさせることができます。

(3) 法務大臣は、承認申請された土地が、通常の管理や処分をするよりも多くの費用や労力がかかる土地として法令に規定されたものに当たらないと判断したときは、土地の所有権の国庫への帰属について承認をします。

(4) 土地の所有権の国庫への帰属の承認を受けた方が、一定の負担金を国に納付した時点で、土地の所有権が国庫に帰属します。

 

引き取ることが出来ない土地

引き取ることが出来ない土地については、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律にて、以下のように定められています。

 

(1) 申請をすることができないケース(却下事由)(法第2条第3項)
 A 建物がある土地
 B 担保権や使用収益権が設定されている土地
 C 他人の利用が予定されている土地
 D 土壌汚染されている土地
 E 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地

 

(2) 承認を受けることができないケース(不承認事由)(法第5条第1項)
 A 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
 B 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地
 C 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
 D 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地
 E その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地

 

土地活用のご相談窓口

弊社の相続相談につきましては、こちらの制度だけでなく、遊休地の活用についても、これまでの事例を元に専門家によるご提案をさせて頂けます。

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参照

相続土地国庫帰属制度(法務省):https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html

日本経済新聞ニュース:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA033J10T01C23A0000000/