こんにちは!

司法書士の石川です。

埼玉県で有名な「久喜提灯祭り」が7月12日、7月18日に開催されました。

夏といえばお祭りですね!

提灯祭りに行かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

本日は、「自分の分だけ相続登記をお願いしたいのですが、、、」とご相談をいただいたときのお話です。

 

相続登記とは、亡くなった人の名義となっている不動産(土地・建物)を、その不動産を相続した人の名義へと変更する登記手続のことをいいます。

 

 

実際にご相談をいただいた内容を、より分かりやすくするために簡略させていただきますが、ご相談者様(Aさん)の状況は、不動産の所有者(父)が亡くなられて、相続人が長男であるAさんと次男であるBさんの2名です。

 

Aさんからのご相談は、とりあえず自分の法定相続分(本件では持分2分の1)だけ相続登記をしたいというものでした。

 

<Aさん単独で相続登記をすることは可能>

まず、Aさんのご協力だけで相続登記を申請することは可能です。

 

しかし、Aさんの持分だけを相続登記をすることはできません。

 

すなわち、Aさんのご協力だけで(Bさんの関与なしに)、Aさん持分2分の1、Bさん持分2分の1というように、Bさんの持分を含めて相続登記をすることは可能ということになります。

 

なお、Bさん持分の相続登記にかかる登録免許税につきまして、Aさんが単独で相続登記申請をするのであれば、Aさんが納めることになります(後でBさんに請求するかどうかはBさんとの話し合い)。

 

<Aさん単独で法定相続分による相続登記をすることのメリット>

Aさんが単独で法定相続分による相続登記を申請することのメリットは、Aさんの持分2分の1の権利を保全することができることです。

 

可能性としては低くなりますが、亡くなられたお父様名義の不動産を、Bさんが勝手にBさん単独名義に相続登記をしてしまい(犯罪です)、当該不動産を売却してしまうことを防ぐことができます。

 

<Aさん単独で法定相続分による相続登記をすることのデメリット>

Aさんが単独で法定相続分による相続登記を申請することの一般的なデメリットは次のとおりです。

 

■Bさんの登録免許税もAさんが負担します。

相続登記を申請するときは、登録免許税を納めなくてはなりません。

 

これはAさん単独で、自分の持分だけではなくBさんの持分も登記するときも、Bさんの持分に関する登録免許税も納めなくてはなりません。

 

Aさんが負担するのか、Aさんが立て替えて後でBさんに請求をするのか、Bさんに負担をしてもらうのかはBさんとの協議によりますが、登記申請人であるAさんが納めることになります。

※ただし、次にあるとおり権利証との関係で、Bさんの協力を得られるのであればBさんも申請人となった方が良いです。

 

■Bさんに持分に対する権利証が発行されません。

不動産の権利証は、登記申請人にしか発行されません。

 

つまり、Aさんが単独で(Bさんの分を含めて)相続登記をすると、Aさんには権利証が発行されますがBさんには権利証が発行されません。

 

Bさんに権利証が発行されないデメリットとしては、Bさんが持分を売却や贈与等するときの登記手続において、Bさんの負担が増えることになります。

 

■後で単独名義にするときに、改めて登録免許税を納めなくてはなりません。

Aさんが法定相続分で相続登記を入れた後に、遺産分割協議をした結果当該不動産をAさんが取得することになったときは、Bさんの持分をAさんに変更する登記が必要となります。

 

これは、法定相続分による相続登記を申請する前に遺産分割協議がまとまるのであれば、1回の相続登記だけで済むことになるので、それに比べて本件では登録免許税が1.5倍かかることになります。

 

 

 

相続人間で誰が不動産を相続するのか話がまとまりそうであれば、事前に法定相続分による相続登記を入れる必要性は低いといえます。

 

相続登記に関するご相談は、登記の専門家である司法書士のいる「さいたま幸せ相続相談センター」にお気軽にお電話(048-782-8922)ください。