皆さんこんにちは。相続コンサルタント・行政書士の稲垣です。

先日お正月に家族の集まりがあった際に義父からこのような質問をされました。

 

「相続した親のお金を普通預金に入れたままにしているんだけど、ほとんど利息が付かないから何か運用したいと考えている。でも今まで投資の経験はないし、なるべくリスクも取りたくない。預金より少し儲かるくらいでいいんだけど何がいいかな。最近話題のNISAはどうだろう。」

 

以前のコラムでも書かせていただきましたが、私は金融機関で10年以上勤務していました。当時のお客様からもこの様な相談はたくさん受けてきましたが、元本割れ、損失への抵抗感が根強く、義父のように投資には一切手を出してこなかったという方は多くいらっしゃいました。

しかし、今は「貯蓄から投資へ」の流れが活発になっており、「NISA」が始まった頃から少しずつ資産運用を意識する方が増えてきたように感じます。また今年からNISAの制度が変わったことにより、義父のように投資に関心をもつ方がより増えているのでしょう。

 

NISAはどうなのか

新NISAの詳細な制度内容については様々な媒体で説明されているところであり、ここでは割愛させていただきますが、今回の改正により運用益の非課税期間が恒久化され、投資枠が大幅に拡大しました。

現在NISAを活用した資産形成の王道とされているのが、世界株式に分散投資するインデックス型の投資信託を毎月定額で積み立て購入していくという方法です。こちらは私も数年前から購入しており、直近で10%近い利回りで運用できています。

しかし、株式は短期的な値動きが大きく、2008年のリーマンショックの様な世界的な金融危機が起きると大幅に値下がりします。そのような状況では割安で株式を購入できるので、ある意味チャンスなのですが、値崩れした状況に耐えられず、売却してしまう方も多くいらっしゃいます。またある程度保有額が大きくなると、毎日数十万円単位で評価額が変わる為、この様な変動にストレスを感じ解約される方もいらっしゃいます。

積み立て投資は最低でも5~10年以上の長期運用が前提であり、短期で解約した場合は元本割れするケースが珍しくありません。積み立て投資はあくまでも将来的に使い道がないお金で行うものであり、数年後に使うことがわかっているお金(車購入資金、リフォーム資金等)は利息が付かなくても預金で積み立てていくべきです。

 

債券投資

株式に比べてリスクが少ないものが債券投資です。私たちにもっとも馴染みのある債券が「国債」であり、購入すると「国にお金を貸す」ことになります。個人向け国債は金融機関の窓口で1万円から購入することができ、元本割れすることはありません。利率は令和6年1月15日発行の場合、固定金利3年物が0.05%、固定5年物が0.25%、変動10年物が0.60%と一般的な定期預金の金利0.02%~0.05%と比べると割高な金利といえるでしょう。中途換金については制限があり、購入から1年間は原則中途換金できません。

また、国ではなく「企業」にお金を貸す「社債」というものがあります。購入金額が100万円からとなりますが、国債よりもさらに高い利率で販売されます。おおむね0.5%から1.5%の利率となりますが、昨年2月に発行された楽天グループの2年債は3.3%と高い利回りで人気となり、すぐに売り切れてしまったようです。しかし、発行した会社が倒産してしまった場合は利息の支払いが行われなかったり、元本が戻らないリスクもあります。

 

生命保険

当社団のコラムにおいて度々、相続対策としての保険の有用性を話してきましたが、資産運用を目的として貯蓄性のある生命保険に加入することも選択肢となります。円建てと外貨建てがあり、外貨建ての方が利回りは高くなりますが、なるべくリスクを取りたくない方は為替リスクのない円建てを選ぶべきです。一時期は定期預金とさほど変わらない利回りで販売されていましたが、最近の長期金利の上昇により終身型では1%前後の利回りで販売する商品も出てきました。利回りのメリットの他、生命保険料控除を利用した税法上のメリットもあります。デメリットとしては早期に解約すると元本を割る可能性があることです。

 

まとめ

今回は資産運用についてお話しました。後日改めて義父と話すことがあったのですが、今のところはNISAを活用した外国株式インデックス投資と、貯蓄型の生命保険の加入を考えているそうです。積立投資というと若年世代の資産形成が想定されているように感じますが、超高齢化社会と言われる現在においては退職後の資産運用の選択肢となるのかも知れません。また生命保険は資産運用の他に自分の相続対策も考えているとのことでした。

相続をきっかけに唐突に多額のお金を取得し、戸惑われる方も多いですが親族の残された大切な財産を有効に活用していただければと思います。