みなさまこんにちは

行政書士の次郎丸です。

 

もう今年も6月に入り

早いもので1年の折り返し地点となりました。

お正月に決意した1年の目標は達成できそうでしょうか?

私はというと、8kg痩せるという目標の半分も達成できておりません(汗)

そろそろ本気で取りかからないと、

と焦燥感に駆られているこの頃です。

 

さて今回は遺言の中に記載される「付言(ふげん)」についてです。

付言とは、自筆証書遺言・公正証書遺言問わず、遺言の最後につづる

遺言者から、遺される者(相続人)へ向けた最後のメッセージのことです。

付言は、法律的に何の効果も発生しないのですが、

遺された相続人に対する感情的な意味は大きいです。

ストレートに言うと、相続人間の争いを

無くす方向に働く場合が多いのです。

 

実際に
付言事項がある遺言の例をみてみましょう。

 

『第1条 A不動産は長男・甲へ相続させる。

 第2条 B建物は次男・乙へ相続させる。

 第3条 預貯金は三男・丙へ相続させる。

(付  言)

A不動産は、先祖代々の土地を長男の甲が護ってください。

B建物は、生前私の面倒見るために、

そばに寄り添ってくれた次男の乙に使ってほしいと思います。

そしてまだ若い丙には預貯金を遺すこととしましたので、

自分の夢を叶えるための資金に充ててください。

上記の配分は私なりに熟慮して決めました。

どうかわかってください。

私亡き後も、兄弟三人が仲良く力を合わせて

生きてくれることが親としての最後の望みです。

私はあななたちの親となれたことをとてもうれしく思います。

今までどうもありがとう。

どうか末永く幸せに。さようなら。』

 

相続はそもそも感情的な部分に大きく左右される法律制度です。

上記の例でいうA不動産、B建物、預貯金の額がまったく1円も違わず

同価値ということはまずないため、

少なく相続した者が、多く相続した者を妬む可能性が発生します。

また、たとえ同価値だとしても争いに発展することもありますし

(私は土地よりもすぐに使える預貯金が欲しかったとか)、

なにより生前の親の介護や、親からの借り入れ等、

様々な事情をそれぞれの相続人が加味して評価しますので、

不満を感じる相続人が発生する可能性が大いにあるのです。

そして、この相続での争いを機に一族絶縁状態になるという図式は

想像に難くない話かと思います。

 

そこで、

付言を利用して

「親父が言うんじゃしょうーがねーかな」とか

「おふくろの最後の望みを壊すのはやるせない」と

直接遺されゆく者の感情に訴えかけ、

親子関係の中で納得させることで、

相続人の間の争いを減らす方向に持っていけることが多いのです。

 

既に遺言を作成された方でも、

付言を載せたいというご希望がありましたら

さいたま幸せ相続相談センターまでお気軽に相談ください。

 

今回のコラムはここまでとしたいと思います。

ご拝読ありがとうございました。

 

次郎丸