みなさんこんにちは!不動産鑑定士の森田です。
関東地方も梅雨入りしましたね。毎年この時期は風邪をひいてしまい、体調を崩しがちなので、今年はしっかりと体調管理をして、万全な体調でこの時期を乗り越えたいと思っています。
さて、道路に接していない土地、無道路地のお話です。
建築基準法という法律の定めにより、都市計画区域・準都市計画区域において、建物を建築する場合、その建物の敷地が道路に2メートル(ないし3メートル)以上接していなければならないとされています(接道義務といいます)。
通常、建物が建っている土地については、道路に接していると考えられるのですが、建物を建てた後に道路と接している部分が他人の所有になってしまった等の理由で、いわゆる無道路地となってしまっている土地も意外に多く見受けられます。
また、一見道路に接しているように見える土地でも、その道路が建築基準法上の道路には該当せず、接道義務を果たしていない土地もあります。
無道路地は建物を建築することができない土地ですから、資材置場や駐車場等、特定の用途にしか使うことができず、有効利用することが難しくなります。そのため、無道路地の市場価格は非常に安くなります。
無道路地についてその価値を知りたいが、実際に売却してみない限り、それはなかなか知ることができません。そのようなときには不動産鑑定評価が有効です。
先日も遺産分割に関し、遺産にさいたま市内の無道路地が含まれているが、それをどのように評価するのか、相続人同士で意見が分かれているという相談を受けました。
具体的には、その無道路を相続する相続人Aさんから、もう一人の相続人Bさんに現金を支払う旨双方で合意しているが、不動産の価格が分からないため、具体的にいくら支払えばいいのか意見が分かれているということでした。Aさんは、建物を建てることができない土地なので、固定資産税評価額に比べても相当に安くなるはずだと主張しており、Bさんは固定資産税評価が妥当だと主張していました。そこで、弁護士の提案により、不動産鑑定評価をすることになったということです。
調査の結果、その無道路地が無道路状態を解決するための手段をとることは、物理的に非常に難しいということが分かり、鑑定評価額は固定資産税評価額を大きく下回るものになりました。そして、弁護士を通じてその結果と理由をご説明したところ、相続人双方にご納得いただき、そのごの遺産分割協議がスムーズに進展しました。
無道路地や敷地内に高低差がある土地、隣地との間に崖があるような土地は、市場価格が非常に安くなることがあります。そして、遺産分割や遺留分減殺請求においてもそれらを考慮して土地を評価することは、相続人それぞれの公平性を確保するために重要です。
「さいたま幸せ相続相談センター」では、不動産の評価・査定についてのご相談を無料で承っております。どうぞお気軽にお電話(048-782-8922)ください。