皆さんこんにちは。
相続コンサルタントの久保田です。
今年の確定申告の時期も終わりましたが、
今年も不動産譲渡所得税申告の中で
数件低未利用土地の特別控除を利用できる譲渡所得税申告がありました。
売買金額の上限があるため、
利用できることはあまり多くないのですが、
譲渡所得の金額から100万円を控除できますので、
適用するのとしないのとでは譲渡所得税が約20万円変わってきます。
定額で不動産をご売却した方は、この特例が適用できるかぜひ確認してみてください。
【低未利用土地等の特別控除とは?】
国税庁のHPからの抜粋となりますが、
以下の場合不動産の譲渡所得から100万円を控除することができる特例です。
売買価格が500万円以下の不動産を売却した場合に
適用できる特例のため、適用できないことが多い特例ですが、
地方の不動産や何かしらの事情であまり買主様がいらっしゃらない不動産では、
500万円以下でのご売却もあり得るためその様な場合は要件を満たしているか確認してみてください。
<国税庁HP抜粋>
“個人が、令和2年7月1日から令和4年12月31日までの間において、
都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を500万円以下で売った場合には、
その年の低未利用土地等の譲渡に係る譲渡所得の金額から100万円を
控除することができます。
その譲渡所得の金額が100万円に満たない場合には、その譲渡所得の金額が控除額になります。
引用:”No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除”
国税庁ウェブサイト
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3226.htm(参照2023.03.27)”
【特例の適用を受けるための要件は?】
こちらも国税庁のHPからの抜粋ですが、
下記7つの要件を満たす必要があります。
要件を見てみると、相続した空家や空き地は比較的要件を満たしやすい印象があります。
都市計画区域内に土地建物があることが前提となりますが、
(2)の所有期間5年以上は、相続や贈与で取得した不動産の場合、
被相続人様や贈与者様の所有期間を引き継げるため要件を満たしやすいかと思います。
“特例の適用を受けるための要件
(1)売った土地等が、都市計画区域内にある低未利用土地等であること。
(注)低未利用土地等とは、
居住の用、事業の用その他の用途に利用されておらず、
またはその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途
もしくはこれに類する用途に利用されている土地の利用の程度に比し、
著しく劣っている土地や当該低未利用土地の上に存する権利のことをいいます。
(2)売った年の1月1日において、所有期間が5年を超えること。
(3)売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
特別な関係には、生計を一にする親族、内縁関係にある人、
特殊な関係のある法人なども含まれます。
(4)売った金額が、
低未利用土地等の上にある建物等の対価を含めて500万円以下であること。
(5)売った後に、その低未利用土地等の利用がされること。
(6)この特例の適用を受けようとする低未利用土地等と一筆であった土地から
前年または前々年に分筆された土地またはその土地の上に存する権利について、
前年または前々年にこの特例の適用を受けていないこと。
(7)売った土地等について、
収用等の場合の特別控除や事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べなど、
他の譲渡所得の課税の特例の適用を受けないこと。
引用:”No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除”
国税庁ウェブサイト
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3226.htm(参照2023.03.27)”
【適用を受けるための手順は?】
譲渡所得税の申告なので、最終的には税務署に書類を提出して適用を受けることになりますが、
その前段として適用を受ける不動産がある市区町村に
『低未利用土地等確認書』を発行して頂く必要があります。
市区町村によって異なる可能性がありますが、
今までこの特例でやり取りをした市区町村では、
どちらも都市計画課が担当をしていましたので、
要件を満たす方はその不動産がある市区町村の都市計画課に
お問い合わせいただくのが一番間違いが無いと思います。
また、市区町村によってはHPで低未利用土地等を
説明しているページがありますので、
「○○市 低未利用土地」と検索していただくと
必要書類や確認書申請の流れを説明したページが見つかると思います。
【どこに相談したらいいの?】
当センターでお手伝いすることも可能ですが、
一番スムーズなのはその不動産をご売却した際の
不動産業者様へご相談いただくといいと思います。
必要書類の中には、不動産業者様が集めやすいものも多く、
特に買主様が購入後の利用状況を確認する書類では
不動産業者様のご協力が必要になるかと思います。
そのため、不動産をご売却した際の不動産業者様にご連絡いただき、
必要書類収集にご協力いただくようお話してみてください。
ただ、500万円以下でご売却する不動産はあまり多くは無いため、
この制度をご存知ない方もいらっしゃると思います。
その様な際は譲渡所得税申告をお願いしている
税理士の先生にご相談いただき、
確認書申請もご対応いただくようご相談してみてください。