みなさま、こんにちは。
司法書士の石川です。
成年後見制度というものをご存知でしょうか?成年後見という言葉を耳にする機会も、以前よりは増えたように思います。
成年後見制度とは、知的障がいや認知症などにより判断能力が十分でない方を、法的にバックアップするための制度です。
さて裁判所では毎年、成年後見に関するデータを公表しています。平成28年1月から12月までのデータが公表されましたので、近年の動向を確認してみましょう。
①成年後見関係事件の申立て件数は約34,000件/年
成年後見の申立ては、平成24年から平成28年の過去5年間、年間34,000件台をキープしていますので横ばいとなっています。
②申立人で一番多いのは本人の「子」
申立人と本人との関係では、「子」が一番多く、次に「市区町村長」「その他親族」「本人」「兄弟姉妹」が続いています。特徴として、市区町村長からの申立てが昨年に比べて増加しています。
③申立ての動機は「預貯金等の管理・解約」が最多
成年後見の申立てをする動機として、「預貯金等の管理・解約」が一番の動機となっています。続いて「身上監護」「介護保険契約」「不動産の処分」「相続手続き」となっています。
認知症の方が財産の管理・処分を行うときは、本人は契約行為ができないため、成年後見制度の利用が必要です。
④第三者が成年後見人等になるケースが多い
成年後見人等になる人は、本人の配偶者・親・子・兄弟姉妹・その他親族がなるケースが全体の約28%、親族以外の第三者が成年後見人等となるケースが全体の約72%です。
いわゆる専門職後見人として、士業が成年後見人等になるケースが増加傾向にあり、順に司法書士、弁護士、社会福祉士が専門職後見人として多く選任されています。
⑤成年後見制度の利用者数は20万人超え
成年後見制度の利用者数は年々増加しており、平成26年12月末で184,670人、平成27年12月末で191,335人、平成28年12月末で203,551人となっています。高齢社会になり、今後も利用者数が増えていく可能性があります。
成年後見制度は、よりみなさまの身近なものになっていくものと思われます。成年後見制度について相談をしたい方は、当センターにお気軽にお問い合わせください。