みなさんこんにちは!

不動産鑑定士の森田です。

 

 先週、平成28年度の地価調査の結果が発表されました。

 埼玉県全体の平均変動率は住宅地で▲0.1%(▲0.2%)、商業地で0.2%(0.2%)、工業地で1.8%(0.9%)でした(カッコ内は昨年度の変動率)。全体として大きな上昇傾向にはまだ至っていない模様です。

 

 用途別に傾向をみていくと、以下の通りです。

〇住宅地

 マイナス金利政策の影響もあって、金融機関は融資に積極的で、資金調達面では良好な状況が維持される一方、個人所得が伸び悩んでいます。そのため、全県での上昇には至らず、通勤・通学に利便性が高く、都心へのアクセスに優れる戸田・浦和等の県南東部では上昇傾向が続く一方、県北、秩父エリアは依然として下落傾向が続く等、二極化が進行しています。

 全体としては昨年と同様の傾向が持続しています。

 

〇商業地

 北陸新幹線開業により、大宮駅周辺は北陸・東北方面への玄関口としての優位性が高まるのに対し、一定の品等以上のオフィスビルの供給が限定的であることから、空室率が低い水準で推移しており、地価が上昇しています。また、再開発が予定されている浦和・川口・所沢駅周辺でも上昇しています。

 昨年と比べると、上昇地点と下落地点が減少し、横ばいの地点が増加しています。

 

〇工業地

 各インターネット通販事業者が即日配達等のサービスの向上を図っており、流通施設の需要は増大していることから、圏央道の沿線を中心に物流センターの需要が高まっています。そのため、圏央道I.C.近くのエリアで上昇傾向が持続しています。

 昨年と比べると、上昇地点と下落地点が減少し、横ばいの地点が増加しています。

 

 相続と土地は密接な関係があります。毎年発表される地価調査と地価公示は是非とも参考にしていただいて、地価動向の把握に役立てていただきたいと思います。

〇平成28年 埼玉県地価調査

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0108/ch-2016.html