皆様方の中には相続税対策として、生前贈与を行うことを考えておられる方も多いと思います。その場合、暦年課税と呼ばれる年間110万円までの贈与が非課税となる制度を上手に活用していただきたいですね。

 

ところで上場株式を贈与する場合、贈与する側の人はどのような注意が必要でしょうか?実は上場株式の相続・贈与における評価額は、以下の中から最も低い価格で評価することが認められています。

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  • ① 相続(死亡日)・贈与日の最終価格
  • ② ①の属する月の平均価格
  • ③ ①の属する月の前月の平均価格
  • ④ ①の属する月の前々月の平均価格

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例えばA銘柄を500株、6月5日に贈与する場合、以下のような株価推移であったと仮定します。

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  • ① 6月5日の価格:3000円
  • ② 6月平均価格:2800円
  • ③ 5月平均価格:3300円
  • ④ 4月平均価格:3100円

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この場合、株価が一番安い②の2800円で贈与額を評価できます(相続の場合も評価方法は同じです)。つまり2800円×500株=140万円の贈与と評価され、110万円の暦年課税枠を超えた30万円にかかる贈与税を、贈与を受けた人が払う計算になります。

 

ではB銘柄を500株、6月5日に贈与する場合はどうでしょうか?B銘柄の株価推移は以下の通りです。

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  • ① 6月5日の価格:3000円
  • ② 6月平均価格:2800円
  • ③ 5月平均価格:2000円
  • ④ 4月平均価格:1500円

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B銘柄は4月以降に株価が急騰しており、6月5日の時点では4月の平均価格の2倍にまで上昇しています。この場合、株価が一番安い④の1500円で贈与額を評価できるため、1500円×500株=75万円の贈与と評価され暦年課税枠で納まることになります。しかしよく考えると贈与時点の6月5日の株価は3000円なのですから、実質的には150万円の贈与を非課税で行ったことになるのです。

 

お子様やお孫様に贈与をお考えの方が株価急騰銘柄をお持ちの場合は、贈与する大チャンス到来ですね。なんせ株価推移を見てから贈与銘柄を決めるという「後出しジャンケン」が可能なのですから・・・

 

ただ贈与税だけを考えればこの選択は正しいのですが、実際にはその他の要因も関係することから、もしご興味がございましたら当センターまでご相談くださいませ。

 

※監修 廣田証券 https://www.hirota-sec.co.jp