こんにちは。
不動産鑑定士・相続コンサルタントの森田努です。
先日、とある地方銀行の収益不動産融資部門の担当者(以降Aさん)と話をする機会がありました。
このAさん、まだ20代の若い方でしたが、とても真面目で不動産についてもよく勉強されている方でした。
あるとき、Aさんがこのようなことを言っていました。
僕、お客様から投資用不動産についての問い合わせが来ても
良くない物件は良くないってはっきり言ってしまうんです。
なので、お付き合いのある不動産会社から煙たがれちゃうんですよね。
たまにお客様からも、僕に相談するといつまで経っても物件を買うことができないって言われちゃうんですよ。
多分、Aさんはよく勉強している分、持ち込まれる投資物件の良くない点が目に付いてしまい
お客様がその物件を買うことについて、お勧めしない旨のアドバイスをすることが多いのだと思います。
そのため、良い投資用物件が限定的な現状では、Aさんに相談するといつも購入にストップがかかってしまうような状況なのでしょう。
お客様からするといつまで経っても投資用不動産を買うことができず、ヤキモキしてしまうことは想像できます。
しかし、投資用不動産の購入は買うことが目的ではなく、しっかりとした相続対策や資産形成に繋げることが目的です。
その点、お客様の立場に立って、良くないものは良くないとハッキリ伝えるAさんは、本当に信頼できる方なのだと思います。
また、別のお話になりますが
ある相続人の方(被相続人の奥様、以降Bさん)が遺産分割について税理士に相談したところ
Bさんは今回の遺産分割は自分のことだけを考えればいい。
二次相続はどうなるか分からないが、その時にBさんの子供たちが考えればいい。
と言われたということでした。Bさんは専門家がそのようなことをアドバイスしてきたことに驚いていました。
相続に携わる専門家は、その時のことばかりではなく、二次相続やその後の将来のことまで長期的視野に立って助言をすべきところ、私もあまりに無責任な助言に言葉を失いました。
私はBさんに税理士の変更をご提案し、別の税理士をご紹介することになりました。
確かにこれは極端な例かもしれません。ただ、色々な考え方の専門家・士業がいるのは事実です。
皆様も相続相談においては特定の専門家・士業の話を鵜呑みにせず、少しでも疑問に思うこと・納得できないことがあった場合は直接問い合わせたり、それが難しい場合はセカンドオピニオンを活用することが必要です。
相続は、経済的にも心情的にも人生や人間関係に大きな影響を及ぼす機会となります。
信頼できるパートナーをしっかりと選ぶことが非常に重要です。