こんにちは。

不動産鑑定士・相続コンサルタントの森田努です。

 

こと埼玉県、東京都においては実家から離れて生活をされている方が多くいらっしゃることと思います。

そのような方について、心配事の一つに実家のご両親の生活のことがあげられるでしょう。

ご両親ともに健在であれば良いですが、どちらかがお亡くなりになって一人暮らしをされている場合等はなおさらだと思います。

特にご両親が高齢になっている場合は、健康面の不安だけでなく、認知症等の不安も考えられます。

コロナ禍により帰省がままならない中、実家のご両親が心配だというご相談も増えてきています。

当社団ではこういったご相談があった場合、「財産管理契約」と「任意後見契約」といった仕組みをセットで活用することをお勧めしています。

 

認知症は発症しておらず、まだまだ意思もはっきりしているものの、やはり今の時代高齢者を狙った詐欺行為も多く不安だという場合は、まず「財産管理契約」を活用し、指定された財産管理人による財産管理を行います。そして、いざ判断能力を失ってしまったら「任意後見契約」に従って、予め指定された後見人が非後見人を助けることになります。

これらの契約を予め元気なうちに用意しておくことで、親族や信頼できる人に財産の管理を任せることが可能となります。

成年後見制度には「任意後見」の他、「法定後見」もありますが、「法定後見」の場合は家庭裁判所が後見人を選任することになり、多くは司法書士等の専門家が選任されるため費用も多くかかってしまうといったデメリットが指摘されます。

 

上記の他にご高齢者を守る仕組みには、民間業者等による「みまもりサービス」のといったものもあります。いずれの仕組みについてもメリット、デメリットがあり、仕組みを利用できる状況も異なっています。また、「財産管理契約」や「任意後見契約」は判断能力を失った後に新たに契約することはできません。なるべく早い段階からそれぞれの仕組みについて理解を深め、状況に応じた準備をすることが重要です。

 

参考 2020年2月28日付日経新聞:私に判断能力がなくなる日 任意後見で認知症に備える

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56032800V20C20A2000000/