みなさんこんにちは!
不動産鑑定士の森田です。
本日は、相続税のお話です。
広大地評価という制度をご存知でしょうか?
簡単にご説明すると、一定の条件に該当する土地について相続税評価額が大幅に下がる(最大65%)という制度です。
その条件は大まかには以下のものとなっています(厳密にはより細かい条件があります)。
- ・規模が大きい
(三大都市圏の市街化区域では500㎡以上、その他の市街化区域では1,000㎡以上等)
- ・戸建分譲用地に適している
- ・開発に当たって道路負担が生じる
規模が大きい戸建分譲用地は以下のような性格があり、標準的な規模の土地よりも単価が下がるケースがよくあります。
- ・規模の分、価格が大きくなるため需要者が限定され、割安感が求められる。
- ・開発において道路負担が生じる場合があり、有効宅地率が下がる。
(歩留まりが悪いといわれます)
- ・開発から売却まで相応の時間を要するため、期間リスクが生じる。
同じような場所にあっても、規模が大きいだけで単価が半分近くまで下がってしまうようなことも珍しくありません。そのため、相続税の算定に当たって、これらの性格を考慮し割安に評価しようということが制度趣旨になります。
具体的にどれほどの効果があるかというと・・・。
例:土地の評価額が3億円(路線価×面積)、500㎡の土地
広大地補正率=0.6-0.05× 500㎡ =0.575
1,000㎡
評価額=300,000,000円×0.575=172,500,000円(▲127,500,000円)
【補正前】
相続税額=300,000,000円×(税率)45%-27,000,000円=108,000,000円
【補正後】
相続税額=172,500,000円×(税率)40%-17,000,000円=52,000,000円
(▲56,000,000円、▲51.9%)
相続税の評価額が3億円の土地の場合、土地の評価額が約1億3千万円下がり、当該土地だけのことを考えれば、相続税が5,600万円下がる計算になります。
以上のように広大地に該当した場合、相続税の大幅な減額を期待することができます。実際に数百万円~数千万円の減額は珍しくありませんし、私が取り扱った中で最も減税効果が大きかったものは、申告ベースで10億円弱の減税効果がありました。
実際に広大地に該当するかどうかは、細かい条件があり、単純な話ではないのですが、もし、一定規模以上の土地をお持ちの場合は、一度税理士などの専門家に問い合わせをしてみることをお勧めいたします。
もちろん、当団体においても、無料でご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。