みなさんこんにちは!不動産鑑定士の森田です。
以前、兵庫県西宮市の不動産の評価を依頼されたことがありました。
市役所に伺い、都市計画やその他建築に係る規制の確認をしていたときのこと、市役所の方から「活断層の確認はされましたか?」と聞かれました。
そこで西宮市で作成した活断層に関する資料を確認したところ、まさに対象不動産の真下に活断層があったのです。あわてて、当初考えていた出口プランを修正し、大幅な減価修正項目として評価に反映させたことを覚えています。
当時は東日本大震災の発生前ということもあり、近年大きな震災を経験していない関東と阪神大震災を経験した現地とでは認識に差があることを痛感しました。
しかし、東日本大震災や熊本地震等の地震災害に加え、大雨洪水等の地震以外の自然災害の発生件数も増えている今日においては、日本中どこに行っても自然災害のリスクがあると考えた方がいいかもしれません。そこで、大変前置きが長くなってしまいましたが、今回はさいたま市の災害についてのお話です。
さいたま市や埼玉県全体をみると、自然災害とは縁が薄い印象がありました。しかし、平成26年の大雪のときには秩父で98cmの積雪がありましたし、平成25年には越谷で竜巻の発生が確認されています。そのほか近年はゲリラ豪雨と呼ばれる局所的な大雨の発生件数が増えています。
さいたま市のホームページを確認してみると「さいたま市防災カルテ」(http://www.city.saitama.jp/001/011/015/002/001/p035774_d/fil/si.pdf)
という資料があります。
当該資料によれば、さいたま市で予想される大地震は「さいたま市直下地震」「関東平野北西縁断層帯地震」「東京湾北部地震」というものがあります。いずれも最大震度は震度6強で、特に、一番大きな被害が予想される「さいたま市直下地震」では死者2,044人、負傷者8,147人、避難者224,729人、全壊建物棟数62,453棟となっています。
さいたま市で直下型地震のリスクがあるとは私も調べてみて初めて知りました。
また、「東京湾北部地震」について、気象庁は今後 30 年以内の地震発生確率が70%とされており、最も警戒が必要な地震です。
このほか、「さいたま市防災カルテ」には洪水のリスクについても分かりやすく記載されており、一度確認することをお勧めします。
さらに、さいたま市では昨年10月に「防災ガイドブック」を作成しており、市内全戸に配布していますので、こちらも併せて確認する必要があると思います。お持ちでない方は下記URLからダウンロードすることもできます。
http://www.city.saitama.jp/001/011/015/006/p043829.html
最近はこういった防災意識の高まりと共に、各市町村で防災関連の資料を作成しています。ぜひ一度こういった資料をご確認の上、ご家族と共に自然災害発生時の対応等について話し合っていただきたいと思います。