皆さん、こんにちは!
- 不動産鑑定士、相続・不動産コンサルタントの森田努です。
一級建築士の城和のコラムの通り、2020年度の路線価は全国平均で5年連続で上昇となっています。
路線価が上昇すると相続税の負担も大きくなります。
相続税の負担が大きくなってくると、納税資金を確保するために
相続する土地を売却しなければならなくなることもあろうかと思います。
ところが、コロナ禍の影響によって、思うように土地が売却できないケースが増えているとのことです。
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1.売却価格が大きく下がってしまうケース
コロナ禍を境に不動産業者は物件の買取により慎重になってきています。
そのため、不動産業者の物件の買取価格が以前の水準よりも下がってきています。
それによって、同じ不動産であっても、去年までは納税資金を確保するために十分な価格で売却できたところ、コロナ禍によって売却価格が大きく下がり、納税資金が足らなくなるケースが考えられます。
2.売却が納税期限に間に合わなくなってしまうケース
不動産を売却するための条件として、土地の境界確定等の事前手続きが必要になる場合があります。
ところが、コロナ禍の影響によってその手続きが滞ってしまい、納税期限までに売却することができず、納税資金を確保することができなくなってしまうケースが考えられます。
以前のコラムで書いた通り、国税庁は路線価よる土地評価について、コロナ禍の影響を考慮した減額措置を検討しているとのことですが、どこまでの救済措置となるかは現時点では未知数です。
多額の相続税が予想される方は、一度現状の不動産市況を踏まえた対策の検討・見直しが必須です。
※参照 日本経済新聞2020年7月3日
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61085860S0A700C2CR8000/