みなさま、こんにちは。
相続専門司法書士の三浦美樹です。
働く女性の中でも旧姓を使われている人が増えてきましたね。
今回は証明書類への旧姓併記についてお話致します。
証明書類への旧姓併記が可能に
住民票、マイナンバーカード等への旧氏(旧姓)を併記できるようにするための「住民基本台帳法施行令等の一部を改正する政令」が令和元年11月5日に施行されました。
社会において旧姓を使用しながら活動する女性が増加している中、様々な活動の場面で旧姓を使用しやすくすることを目的とした改正です。
これにより、本人の戸籍謄本等に記載されている過去の氏の中から一つを選んで併記することが可能になります。
旧姓を併記出来るようになった書類はなに?
今回の改正により以下の証明書類などに旧姓の併記が出来るようになりました。
・住民票の写し
・マイナンバーカード
・印鑑登録証明書
・運転免許証
住民票、マイナンバーカード、印鑑証明書などは各市区町村での手続きになり、運転免許証については警察署や免許センターでの手続きとなります。
不動産登記への併記やルールについて
不動産登記においては、旧姓併記は認められていません。不動産登記の目的は不動産の現況と権利を公示し、取引の安全を保護することにあるので、氏を選択式にし、自由度を高めてしまうと、権利間関係がわかりにくくなり、取引の安全を害する恐れがあるからなのかもしれません。
一方、商業法人登記においては、既に(平成27年2月27日より)会社・法人の役員欄に旧姓を併記できるようになっています。ただし、併記できるのは、婚姻前の氏のみとなります。また、併記の申出をすることができるのは、役員等の就任時や設立時等に限られています。
旧姓併記ができるようになったからといって、急に女性が活躍しやすい社会になるわけではありませんが、この改正を契機に、受け入れる側の意識が変化していくことが大切なのではないかと思います。