• 皆さん、こんにちは。

    不動産鑑定士、相続・不動産コンサルタントの森田努です。

 

全国の空き家の戸数が840万戸を越え、7戸に1戸が空き家だと言われています。

空き家は放置されてしまうと、防災・防犯の面からもリスクが高いと言われています。

例えば、老朽化した空き家は地震や台風の際に倒壊してしまったり

屋根瓦が落下してしまう可能性があり、周辺住民や通行人にとって非常に危険です。

また、倒壊した空き家が道路を塞いでしまい

緊急車両の通行を妨げるといったリスクも指摘されています。

 

こういった、危険な空き家について

2015年以降「空き家対策特別措置法」によって

自治体が一定の手続きの後、解体・撤去することが可能となりました。

この場合、原則として自治体はあくまで所有者に代わって解体・撤去を行い

費用は所有者の負担となります。

しかし、老朽化した空き家は所有者が不明だったり、認知症であったり

そもそも支払い能力が無かったりする場合が多く

費用を回収することは非常に困難となっています。

そのため、実際にこの法律によって解体・撤去が実行されるのは

緊急性が非常に高いと判断される場合に限定されています。

やはり、所有者の意思能力がしっかりしている段階から

関係者間で空き家になる可能性とその対応について

しっかりと検討しておくことが重要だといえます。

 

〇参考 10/29日経新聞「廃虚マンション、強制解体に1億円 空き家と向き合う(1)」

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51480960Y9A021C1EA1000/