皆さん、こんにちは!
不動産鑑定士、相続・不動産コンサルタントの森田努です。
実は土地の境界は非常に曖昧なものです。
住宅地でよくある話が、隣の家との境にフェンスがあるが
このフェンスはどちらの家のものなのか?という議論です。
隣の家との境界がフェンスのどちらかにある場合もあれば
境界がフェンスの中間にある場合もあり
そのいずれかによって、フェンスの所有が左右されることになります。
境界が決まっていない場合には隣地所有者との協議によって
境界を画定させ、覚書を交わすことになります。
通常の市街地ですらこのような状況なので
山村部においては境界はますます曖昧です。
山林を含んでいる場合は目印となるものがなく
「あそこの山とこっちの山は自分のもの」と
かなりザックリとした認識となっていることも多くあります。
しかし、そのように境界が不明確な状態では
その所有状態も不明確なものとなり
相続などを経ると誰が所有しているのか
分からなくなってしまいます。
したがって、境界を画定させる必要があるのですが
山林等の場合、現地への進入・立ち合いや測量が難しいケースもあり
実務上の問題が多くありました。
そこで、政府は航空写真やレーザーを駆使し
現地で立ち合いをしなくても、境界の画定を行うことができるような
新しい手法の導入を検討しているとのことです。
こういった新しい手法によって相続による問題が少しでも減るといいと思います。
〇8/19 日経新聞「山村の土地境界、立ち会い不要で画定」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48693140Y9A810C1PE8000/