相続手続きは、相続財産に関することだけではなく、遺品整理や年金などの公的な手続きなども要するため多岐にわたります。
相続人の方々が埼玉県外に住んでおり、被相続人が県内でお亡くなりになられた場合「どこに相談すればいいのか」「遠方でも手続きは進められるのか」と不安を感じる方は少なくありません。
そこで、本記事では安心して相続手続きを進められるように、埼玉県外在住の方向けに相続手続きを進めるポイントを解説します。

相続人が埼玉県外に住んでいる|相談はどこにする?
相続人の方々が埼玉県外に住んでいる場合、相続の相談はどこにするとよいでしょうか。そこで、本章では埼玉県内での相談がおすすめされるケースをご紹介します。
被相続人が埼玉県内に住んでいたケース
被相続人が亡くなる直前まで埼玉県内に住んでいた場合、戸籍謄本の取得などの相続手続きの準備は埼玉県内の各市区町村で進めます。
生前に取引があった金融機関も県内の可能性が高いため、埼玉県内にある相続センターや各士業などに相談することが検討できるでしょう。
ただし、所有不動産や取引のある金融機関は県内外に散らばっていることも多いため、調査は丁寧に進める必要があります。
被相続人が所有していた不動産が埼玉県内に多いケース
相続財産には、被相続人が所有する不動産も含まれます。遺産分割協議時までにどのような不動産を所有していたか調べる必要があり、相続税申告の対象にもなるため慎重に調査する必要があります。
埼玉県内に被相続人が所有していた不動産がある場合、相続登記も今後必要となるため不動産相続に精通する埼玉県内の相続センターや司法書士への依頼が検討できるでしょう。
相続人が相談しやすい場所が埼玉県内のケース
相続人の中に、埼玉県内に住んでいる方がいる場合や、「仕事や用事で埼玉に来る機会が多い」という場合も、県内での相談が現実的です。
相続人を代表して相続手続きを進める方が県内にお住まいではない場合、オンライン相談などに対応している相続センターなどを検討しましょう。
相談先選びのヒント
専門家への相談内容に悩んだら、以下のヒントをご参考ください。
| 相談先 | 相談できる主な内容 |
|---|---|
| 弁護士 | 相続人間での争い・トラブルの解決、遺産分割の交渉 調停、法的紛争の代理など |
| 司法書士 | 不動産の名義変更(相続登記)など |
| 税理士 | 相続税の申告・節税対策 相続税がかかるかの判定、税務署への申告書作成など |
| 行政書士 | 遺産分割協議書の作成や自動車の名義変更など |
さいたま市で相続相談を検討されている方は、こちらのコラムをご参照ください。
埼玉県外からでもOK!県内の相続手続きを円満に進めるポイントとは
遠方に住んでいると「何度も現地へ足を運ばなければならないのでは」と不安になりますが、実は多くの手続きが非対面で完結します。
そこで、埼玉県外からでも県内の相続手続きをスムーズに進めるためのポイントを解説します。
郵送でできる手続きは多い
埼玉県内の各市区町村や金融機関に出向かなくても、郵送で対応可能な手続きは少なくありません。下記一覧表を参考に、落ち着いて手続きを進めましょう。
| 手続き項目 | 送付・請求先 | 主な内容・必要書類 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本・除籍謄本等の収集 | 各市区町村役場 | 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、相続人の戸籍などの請求(※) |
| 住民票・除票の写し | 各市区町村役場 | 相続登記などで必要 |
| 固定資産評価証明書 | 各市区町村役場 | 相続登記や相続税申告に必要 |
| 金融機関の残高証明・解約 | 各金融機関・証券会社 | 郵送で書類を取り寄せ可能 |
| 年金受給停止・未支給請求 | 年金事務所 | 年金受給権者死亡届の提出や、未支給年金の請求手続き |
| 生命保険金の請求 | 各生命保険会社 | 保険金受取人による請求書類の送付 |
| 公共料金の解約・名義変更 | 各電力・ガス・水道局 | 電話やインターネット、郵送での廃止手続きが可能 |
(※)広域交付制度の利用について
令和6年3月1日から戸籍証明書等の広域交付が始まりました。必要な戸籍の証明書の本籍地が全国各地にあっても、1カ所の各市区町村窓口でまとめて請求できます。
例として本籍地がさいたま市以外にある方でも、被相続人の戸籍全部事項証明書等の請求ができます。ただし、広域交付制度は郵送不可です。請求できるのは「本人、配偶者、直系親族(父母、祖父母、子、孫)」に限られます。
さいたま市でのお取り寄せについては詳しくは以下をご確認ください。
参照:さいたま市 戸籍・住民票・印鑑登録
遺産分割協議は電話・Zoomなどの利用も可
遺産分割協議は相続人全員が一堂に会する必要はありません。
電話やZoom、LINEなどのビデオ通話で協議を行い、合意した内容を記した「遺産分割協議書」を郵送にて署名・捺印する形でも、法的に有効な書類を作成できます。
ただし、非対面で進める場合には以下の点に注意が必要です。
「合意の証拠」を明確に残しておく
合意後に「そんなことは言っていない」などの言った・言わないなどのトラブルを防ぐために、Zoomの録画機能を利用したり、協議の要旨をまとめた議事録をメールなどで共有し全員の承諾を得ておくと安心です。
印鑑証明書と実印の管理
遺産分割協議書には、相続人全員の実印の押印と印鑑証明書の添付が必要です。
遺産分割協議書に添付する印鑑証明書には期限はないものの、金融機関などに提出する際には発行から3か月以内などの期限が設定されていることが多いためご注意ください。
高齢者への配慮
Zoomやスマホでのビデオ通話など画面越しでは相手の表情や細かなニュアンスが伝わりにくいことがあります。
また、高齢者が機器をうまく利用できず、協議内容を把握していないまま遺産分割協議が進んでしまうおそれもあります。
特に利害が対立しやすいお金の話は、対面時よりも丁寧な言葉選びや、事前の資料共有を徹底するなど、慎重なコミュニケーションを心がけましょう。
遠方から相続手続きを進める際の注意点
被相続人がお住まいになられていた場所から遠方地で相続人が相続手続きを進める場合、郵送などで効率よく進めることがおすすめです。
しかし、相続手続きは対面であればすぐに解決できる問題が長期化しやすいという側面があります。特に以下の3点には十分注意しましょう。
郵送は不備の修正に時間がかかる
戸籍謄本など公的な書類の取り寄せは郵便でも可能ですが、窓口であればその場で訂正印を押して済むような小さなミスでも、郵送の場合は「書類の返送→修正→再送」という手順を踏むため、往復だけで数週間ロスすることがあります。
相続手続きを急ぐ場合はミスが起きないように注意しましょう。
相続財産の調査に時間がかかることも多い
「実家にどのような財産があるのか」を正確に把握できていない場合、預貯金通帳や証券、保険証券、不動産関連書類などを探すために、何度も帰省しなければならないことがあります。
また、近年ではスマホやパソコンで管理されているデジタル資産も多いため、相続財産の調査に時間がかかる傾向が高まっています。不安がある場合はお早めに専門家へ相談されることがおすすめです。
期限がある相続手続きも多い
相続手続きには、法律で厳格に期限が定められているものが少なくありません。例として、以下の2点をピックアップします。
- 相続放棄:自己のために相続の開始があったことを知った時から 3ヶ月以内
- 相続税の申告:被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内
遠方からのやり取りは、想像以上に時間を要します。「まだ余裕がある」と思っていても、郵送の往復や書類不備が重なることで、期限ぎりぎりになる可能性もあります。
そのため、相続が発生したらできるだけ早い段階で全体像を整理し、必要に応じて専門家へ相談するなど、早めの着手を心がけることが重要です。
埼玉県内の相続手続きはさいたま幸せ相続相談センターにご相談ください
「遠方に住んでいて埼玉県の実家まで通うのが難しい」「相続を何から手をつけていいか分からない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひさいたま幸せ相続相談センターへご相談ください。無料相談も実施しています。
当センターは、税理士、司法書士、弁護士、そして不動産の専門家などが連携する「相続のワンストップサービス」を提供しています。
執筆:岩田いく実





