口座名義人が死亡した場合、金融機関に口座名義人の死亡が伝わると同時に口座が凍結されます。口座が凍結されると既定の手続きを踏まないと入出金や引き落とし、振り込み等が一切出来なくなります。

口座凍結後に口座から預金を引き出すための手続き方法


口座凍結後に口座から預金を引き出すための手続き方法としては、下記の２種類があります。

相続人全員による、遺産相続手続き
遺産分割前の預貯金払戻し制度の活用（≒仮払い制度）

上記の「相続人全員による、遺産相続手続き」は相続人全員による手続きが必要ですが、「遺産分割前の預貯金払戻し制度」は、2018年７月の民法の改正により2019年7月から施行された制度であり、相続人が当面の生活費や葬儀費用の工面に困ったり、必要な支出に対応するために、一定の範囲内であれば各相続人が単独で払い戻しを受けられます。（民法のうち相続法の分野に関しては1980年以来40年ぶりの大幅な見直しとなり、その背景には高齢化の加速、残された他方配偶者の生活への配慮を鑑みた社会経済情勢の変化がありました。）

遺産分割前の預貯金払戻し制度

この制度には

家庭裁判所の判断により払い戻しをする方法
家庭裁判所の判断を得ずに銀行で払い戻しをする方法

の２種類があり、それぞれ必要書類、費用、かかる時間、上限金額が異なります。

生前対策の重要性

このような手続きに、口座の凍結が起こってしまってから急いで奔走することがないようにするには、生前対策を取っておくことが得策ではないでしょうか。

具体的な生前対策例

遺言書の作成

誰にどの財産を相続させるかを明確にすることで、相続争いを防ぐことができます。

ある程度の現金を準備しておく

口座が凍結されても、当面の生活費に困らないように、ある程度の現金を準備しておきましょう。

口座の存在や書類を明確にしておく

口座の場所や暗証番号、通帳やキャッシュカードなどの書類をまとめて管理しておくと、相続手続きがスムーズに進みます。

当センターでは、このような生前対策についてのご相談を承っております。お客様の状況に合わせて、最適な生前対策プランをご提案させていただきます。ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

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監修：おがわ司法書士事務所　小川直孝　司法書士