みなさん、こんにちは!
さいたま幸せ相続相談センター 不動産鑑定士、相続・不動産コンサルタントの森田努です。
本日は相続対策は、「一度やったら終わりではない」というお話です。
近年、相続問題が社会的にクローズアップされている影響で、まだ若く、健康状態も良好な方が早い段階から相続対策を実施するケースが増えています。
確かに、相続対策は手遅れになる前からしっかりとやっておくことは重要です。例えば、生命保険の活用は生命保険控除の特例があり、受取人を指定できることから、相続対策に有効な手段の一つと言えます。しかし、被相続人の年齢がある程度高くなってしまうと、生命保険に加入することができなくなってしまいます。また、110万円までの贈与税の非課税枠を使った相続税対策も、早い段階から実施することで効果が大きくなります。
このように、相続発生の直前ではなく、早い段階で相続対策を検討することによって、対策の選択肢が広がりますし、その効果も大きくなる場合があります。ただし、早い段階からの相続対策には注意も必要です。それは、制度の変更や社会情勢の変動によって、対策が無力化してしまったり、逆効果になってしまったりする場合があるからです。特に、節税対策は注意が必要です。税制は一般の方が思っているよりも高い頻度で改正が行われるからです。直近では小規模宅地の特例の適用要件が変わり、この制度を使った一定の節税対策を適用することができなくなってしまいました。この他にも「基礎控除枠の縮小」、「広大地制度の改正」等、近年の税制改正点を挙げればキリがありません。
今回は税制面をクローズアップしていますが、税制以外でも民法の改正等によって遺産分割方法を見直さなければならないケースもあります。
以上のように、相続対策については一度やったら終わりと安心するのではなく、税制や法律の改正があった場合にはその都度見なおしていく必要があるのです。また、改正がなかったとしても、社会情勢の変動による影響もありますので、やはり一定期間ごとに見直すことが大切なのです。