みなさん、こんにちは!

不動産鑑定士、相続・不動産コンサルタントの森田努です。

 不動産に関わる仕事をしていると、プライベートでは訪れる機会がないような土地に行く機会が多くあります。観光地でも何でもない土地に訪れてみると、意外な発見があって驚きます。少し前にも香川県の観音寺市に行ったのですが、何か名物は無いかと駅前の乾物屋で買ったいりこ(煮干し)を発見し、購入してみたところ、非常に美味しく、今でも通信販売で取り寄せています。

 さて、本日はマンションの大規模修繕の話です。

戸建て住宅では、ある程度古くなってくると外壁を塗装したり、壁紙を張り替えたり、キッチンやお風呂をリフォームする必要ができてきますが、マンションでもそれは同じで、建築してから10年から15年も経過すると何かしら大規模な修繕の必要性が生じてきます。ただ、マンションの場合、戸建住宅と違うのが、住人一人一人の専有部分のほかに、エントランス・共用廊下・エレベーターなどの共用部分というものがあるのです。個人所有の部分の場合、住宅に故障や不都合があっても、その程度に応じて修繕をするかどうか個人の責任で決定するができます。しかし、共有部分の場合、故障や不都合が生じでも、人によって修繕の必要性の感じ方が違ってきます。

 例えば、マンションの1階の居住者はエレベーターをめったに使いませんが、上層階の居住者はエレベーターが必須になってきます。ですので、エレベーターが故障して修理に多額の費用が必要になった場合、1階の居住者は修理費用をなるべく負担したくないでしょうし、上層階の居住者が多く負担すべきと考えるでしょう。

また、近年のマンションには豪華なゲストルームが付属している場合がありますが、その利用頻度は人によって異なります。ですので、普段から全く使用しない人は、ゲストルームに何かしらの不都合が生じたとしても、その修繕費用の負担を渋ることになるでしょう。

 このように、マンションは多くの方が居住しており、修繕についてもその居住者それぞれによって考え方、感じ方が異なるために合意形成が困難になる場合が多いのです。近年では外国人が部屋を所有している場合も多く、居住者の多様化が進んで、合意形成の難易度はますます上昇しています。

新聞記事によると、マンションの大規模修繕のための修繕積立金が、ほとんどのマンションにおいて不足しているとのことです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28577740W8A320C1SHA000/

 マンションは駅に近接している場合が多く、オートロックや監視カメラが設置されているなど、利便性・安全性に優れているのが魅力ではありますが、一方で修繕に関してはデメリットも多くあるのです。

相続のご相談を承っていると、相続問題のほかにもこのような不動産でお悩みの方が非常に多いことに改めて気づかされます。当社団には、不動産の各方面でのプロフェッショナルが数多く在籍しております。相続のお悩みのほか、併せて不動産に関するお悩みにも対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。