こんにちは、司法書士の石川です。
暖かい日が続くようになり、過ごしやすい季節がやってきたように思います。
さて、皆様は名寄帳というものをご存知でしょうか。
相続手続きにおいては相続財産の把握・調査はとても重要です。名寄帳は亡くなった方の財産を把握するために役立ちます。
名寄帳とは、ある人が所有していた(している)不動産の一覧表です。
相続財産は自宅(土地・建物)しかないから名寄帳は取るまでもないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、自宅から少し離れたところに畑を所有していたとか、自宅の土地と接している私道部分にも所有権があったというケースは少なくありません。
また、公道等のため固定資産税評価額が非課税とされていて、所有はしているのに納税通知書にはその土地が記載されていなかったために把握できていなかった不動産につき、名寄帳を取ってみたら把握できるということもあります。
とても便利な名寄帳ですが、次のような注意点もあります。
まず、市区町村単位で発行される書類であるため、名寄帳を請求した市区町村内にある不動産しか表示されません。
そのため、その市区町村以外にある不動産を把握することは難しく、ある程度不動産の所在に当たりが付いている必要があります。
(全国の市区町村役場に請求することは現実的ではありません。)
また、個人の名寄帳を取得したときは、その個人が会社を運営していたような場合でも、当該会社が所有している不動産は、個人の名寄帳には記載されません。
会社所有の不動産も把握するのであれば、当該会社を請求者として別途名寄帳を取得する必要があります。
さいたま市の場合、名寄帳は1納税義務者・1年度につき300円です。
さいたま市の名寄帳の取得については、こちらのさいたま市のWEBサイトをご確認ください。